プレヴィン/VPOの『夏の夜の夢』の音楽
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ(1809-1847)
劇音楽『真夏の夜の夢』
序曲 作品21
劇音楽 作品61
第1番 スケルツォ
第2番 情景と妖精の行進曲
第3番 『まだら模様のお蛇さん』(2Sp, 女声合唱)
第5番 間奏曲
第7番 夜想曲
第9番 結婚行進曲
第10番 プロローグ~葬送行進曲
第11番 道化師たちの踊り
第12番 情景と終曲 (合計時間 47:01)
アンドレ・プレヴィン指揮 ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
エヴァ・リンド(S), クリスティーン・ケアーンズ(Ms)、ヴィーン・ジュネス合唱団
〔1986年2月24-25日、ムジークフェラインザール、ヴィーン(日本版のパンフレットには1985年となっているが誤植だろう)〕 Philips 28CD-580 420 161-2
このCD, 昨年の9月に入手したのだが、ようやく半年以上経過して夏至の季節になり、久しぶりに取り出して聴いてみた。つい最近のCDのような気がしていたが、既に23年も前の録音になるのだと思うと、自分もいつの間に年をとってしまっただろうという感に襲われる。というのも、まだ社会人に成り立ての頃、この録音が発売されたが、そのうち聴くだろうと思いつつ結局これまで聴かなかったのだった。
メンデルスゾーンのこの曲は、同じフィリップス録音だが、コリン・デイヴィスとボストン響の録音(イタリア交響曲とのカップリング)で結構早い頃から馴染んでおり、その結婚行進曲を自分の結婚披露宴に使わせてもらったほどだった(ただ、その演奏は別にして、録音には完全に満足していたわけではなかったが)。それでも、メタルテープにダビングして、会場の大きなスピーカーから流してもらったら、ちょっと金属的な音だったが、エネルギッシュでいかにも有名なウェディングマーチが流れ、会場からオーという声が挙がったほどだったのを覚えている。
さて、この頃のアンドレ・プレヴィンは、ヴィーンフィルの寵児的な地位にあったようで、数多くの録音を残していたようだ。この録音のほかにモーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振り、「シェエラザード」、「展覧会の絵」などもある。なぜか、プレヴィンが指揮して出来上がる音楽からは、穏やかな喜びの感情、充足感のようなものが伝わってくる。この妖精物語でもある『夏至の夜の夢』も、特に序曲や夜想曲などを聴いていると夢幻的な世界に引き込まれるような雰囲気になってくる。ヴィーンフィルもリラックスして魅力全開という様子だ。
ただ、メンデルスゾーンと言えば、ライプツィヒ・ゲヴァント・ハウスの方に縁があり、プロデューサー的には、スター指揮者に、作曲家に縁のあるオケで録音させるのも面白いように思うが、ここでは、珍しくヴィーンフィルがメンデルスゾーンを演奏している。この序曲と劇音楽を用いた『A Midsummer night's dream』の本公演の舞台か映像を見て見たいものだと思うが、これまでその機会はない。音楽的には、まったくおかしなものを使っているが、著名な女優のミシェル・ファイファー、キャリスタ・フロックハート、ソフィー・マルソーらが登場するアメリカ映画はそれなりの出来だ。
今年の夏至は、6月21日(土)。ゆっくりと夏至の夜、蛍狩りでもしてみたいものだ。
そういえば、来年、2009年がメンデルスゾーン生誕200年になる。誕生日は2月3日。
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