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2008年7月 3日 (木)

ヴィヴァルディ『忠実なる羊飼い』(フルート・ソナタ集作品13 全6曲)

Il_pastor_fido_rampal_lacroix アントニオ・ヴィヴァルディ (1678-1741)
フルート・ソナタ集 作品13 『忠実なる羊飼い』
 Six Sonates pour Flûte et Clavecin "Il Pastor Fido" Op.13

 ジャン=ピエール・ランパル(フルート)、ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ=クラヴサン) 〔1968年録音〕 ERATO B15D-39050 (BMG エラート・エスプリ・シリーズ)

よく利用させてもらっているクラシックデータ資料館のVivaldi 作品表では、

11-61 ソナタ ハ長調Op.13-1,RV.54,F.XVI-5,P.S.3-9[ミュゼット/ヴィエール/fl/ob/vn]
11-62 ソナタ ハ長調Op.13-5,RV.55,F.XVI-9,P.S.4-3[ミュゼット/ヴィエール/fl/ob/vn]
11-63 ソナタ ハ長調Op.13-2,RV.56,F.XVI-6,P.S.3-10[ミュゼット/ヴィエール/fl/ob/vn]
11-64 ソナタ ト長調Op.13-3,RV.57,F.XVI-7,P.S.4-1[ミュゼット/ヴィエール/fl/ob/vn]
11-65 ソナタ ト短調Op.13-6,RV.58,F.XVI-10,P.S.4-4[ミュゼット/ヴィエール/fl/ob/vn]
11-66 ソナタ イ長調Op.13-4,RV.59,F.XVI-8,P.S.4-2[ミュゼット/ヴィエール/fl/ob/vn]

とあり、必ずもフルートソナタではなく、ミュゼット、ヴィエール、オーボエ、ヴァイオリンでも代用可能のようだ。また、この作品表には『忠実な羊飼い』という題名も表示されていない。

いろいろ探したら、この曲集を演奏した方のブログを発見した。リコーダー(フラウトトラヴェルソがいわゆるフルートで、ブロックフレーテ=リコーダー)でも演奏が可能のようだ。それらの楽器と通奏低音のためのソナタ集ということらしい。

恐らくNHKFMを愛好されていた方には、このOp.13-2の Preludio は非常に親しいものだろうと思う。朝の6時台に放送されていた(いる?)「バロック音楽の楽しみ」のテーマ曲だったからだ。私も「忠実な羊飼い」という曲名だということは知っていたが、この耳に馴染んだ曲が作品13の2の第一曲だというのは、このCDを入手して初めて知った。

ERATO録音のランパルの音盤には、結構以前から縁があり、あの有名なモーツァルトのフルートとハープ(ラスキーヌ)のための協奏曲も、ポンパドゥール夫人の肖像をあしらったレコードジャケットのLPで持っていたり(CDでも買いなおした)、バッハのソナタ、モーツァルトの協奏曲、ドビュッシーのソナタ集などで結構馴染んでいたが、このバロック復興期の比較的早い時期の録音でも、屈託のない美音で、ヴィヴァルディの多作とは言え多彩な音楽を闊達に奏でている。

ターフェル・ムジークではないが、最高のBGMの一つとして聴けるような曲であり、演奏だと思う。リコーダーでも演奏でき、楽譜も入手可能のようだ。

ただ、いろいろネットをさまよっているうちに、ショッキングな情報も入手した。

このブログによると、どうもこの曲集はヴィヴァルディの真作ではなく、名前を借りて出版されたものらしいのだ。真相はいかに?

追記:懐かしい「バロック音楽の楽しみ」の後継番組のことをnarkejpさんが取り上げていたので、トラックバックさせてもらった。

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ディスク音楽03 アンサンブル」カテゴリの記事

コメント

トラックバックありがとうございます。ふと思い出して、昔のFM-fanの番組表を掲載したページの紹介を追加してみました。1971年、1981年、2001年のNHK-FMの番組表です。見ると、思わず懐かしくなります(^o^)/

narkejpさん、こちらにもコメントありがとうございます。

早速番組表を拝見しましたが、記録として素晴らしいですね。1981年と言えば一番リアルタイムでNHKFMを聴きあさっていた頃です。実家にもFMfan、FMレコパル、F週刊FMなど何かの特集号が押入れの奥に眠っているかも知れません。1971年で挙げられている演奏家も懐かしい名前が多いですね。しばし懐かしさにひたらせてもらいました。

このように貴重な情報をディジタル化されて保管するという手もあるんですね。その点でもご教示いただいたようで、ありがとうございます。

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