DHM26 J.B.リュリ ディヴェルティスマン1,2,3
先日実家の父から長男がもらってきた『大作曲家の肖像と生涯』には、さすがにジャン・バプティスト・リュリ(1632-1687)が最初の指揮者だったということが書かれているようで、長男が「リュリのCDある?」と尋ねるもので、このDHM50を見てみたところまさに含まれていた。(一般にはジャン・バティスト・リュリと書かれるが、フランス語ではpが発音されなかったということはないので、バプティストでいいように思うのだが。まさにバプティスマのヨハネという二重ネームだ。 追記:2008/09/08 この場合の p はフランス語一般的な発音法則としての黙字なのかどうか分からない。ちなみに元々はジョヴァンニ・バッティスタ・ルッリ(Giovanni Battista Lulli)という名のイタリア人だったという)
とはいえリュリの曲は、この26枚目のCD一枚だけ。ディヴェルティメント(嬉遊曲)の語源的なDivertissement ディヴェルティスマンという曲集だが、フランス語の歌詞のついた歌曲集のような曲集だ。演奏のクレジットは、Skip Sempé のハープシコード(指揮?)の Capriccio Stravagante という団体で、ténorとしてGuillemette Laurens という名前が記されているが、第9曲などは聞こえる声はまったく女声のソプラノなので、歌手全員がクレジットされていなようだ(追記 このTENORという表記が誤りで、メゾ・ソプラノというのが正しいらしい)。HMVのサイトのこのCD集の紹介記事では、
Disc26
・リュリ:ディヴェルティスマン集
スキップ・センペ(指揮&cemb)
カプリッチョ・ストラヴァガンテ
ディヴェルティスマンとは、主軸となるストーリーの展開が一時的に中断する部分です。そしてそこで、時に副次的なストーリーを従えながら、歌や踊りが繰り 広げられていくのです。観客を楽しませることを主眼とするこの部分、耳に快い旋律がいくつも現れてくるのは当然と言えるかもしれません。フランス・バロッ ク時代の栄華を極めた『太陽王』ルイ14世が、ヴェルサイユ宮殿でお気に入りの楽長リュリと台本作家モリエールのコンビに書かせたディヴェルティスマン (余興)の音楽を集めた一枚。優雅で牧歌的、エスプリが利いた音楽です。 【録音】 1990年 (原盤:RD77218)
とあり、なるほどと思う。
リュリの曲は、FM放送では意識もせずに聴いたことがある程度だが、こうして音盤でじっくり聴いてみると「フランス風序曲」に現われる付点音符の重々しいすそ飾りのついた宮廷人の舞踏を想像させるようで、言われてみればフランスの太陽王ルイ14世の宮廷での音楽愛好を彷彿とさせる。訪れたことのあるヴェルサイユ宮殿は、ついルイ16世(在位1774-1792、生没年1754-1793)とマリー・アントワネット妃のことが思い浮かびがちだが、あの宮殿の盛期は、その祖父15世(在位1715-1774、生没年1710-1774)の曽祖父であった14世の時代(在位1643-1715、生没年1638-1715)だったわけだ。
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