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2008年8月26日 (火)

グリュミオー、豊田耕児のJ.S.バッハ ヴァイオリン協奏曲集

Grumiaux_toyoda_holliger_bach_conceJ.S. バッハ
 ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
 ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
  2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
  オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060

グリュミオー(Vn)、豊田耕児(Vn, BWV1043)、ホリガー(Ob, BWV1060),
 レパード/イギリス室内管弦楽団 (BWV1041,1042) 〔1964年〕
 デ・ワールト/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 (BWV1043,BWV1060) 〔1970年〕

夕方、カーナビで珍しくFM放送を選んだところ、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の第2楽章が演奏されており、第3楽章まで聴き続けた。以前は音質がいいと感じていたがFM放送だが、電波状態もあるが、カーナビのMP3の音質よりも劣るようだ。それでも結構聞かせるヴァイオリンとオーケストラで、演奏終了後の紹介では、ドイツ人と日本人を父母に持つシュタインバッハーという20代の若手の女流ヴァイオリニストで、オーケストラはドホナーニ指揮の北ドイツ放送交響楽団。今年のシュレスヴィヒ・ホルスタイン音楽祭の7月の録音で、リューベックでのライヴ収録とのこと。解説者(後でNHKの番組表を確認すると諸石幸夫氏だった。諸井さんと聞こえたがしゃべり方が諸井誠氏とは違っていたので誰かと思っていた)は、このヴァイオリニストの美音と雄大なスケールを絶賛しており、また日独混血の奏者の活躍にも触れていた。それと今年79歳のドホナーニは今、ヴァントが常任を務めていた北ドイツ放送響の常任だとのことだ。

この演奏会とヴァイオリニスト アラベラ・美歩・シュタインバッハーについての記事を見つけた。またこの記事によると2008年も来日するようだ。ベルクを奏くとのこと。ちょうど同じ放送をクルマで聴かれた方のブログもあった。詳しい記事だ。)

ところで、このCDだが、近所のブックオフで購入したもの。美音といえば、フランチェスカッティ、グリュミオーの名前が思い浮かぶが、このバッハのヴァイオリン協奏曲でも、厳格で鹿爪らしいところのない優美なバッハを聴かせてくれる。とはいえ、バッハはバッハだ。もちろんグリュミオーの演奏は優美とは言え端正なもので、ピリオド・アプローチが当たり前になっている現代では、このようなモダン楽器によるバッハは古めの録音でなければなかなか聴けなくなっているのは寂しい。かつてLPでは、オイストラフ父子によるBWV1041-1043の三曲を愛聴していたので、現在CDで持っているピノック指揮のイングリッシュ・コンサートによるバッハも爽快でいいのだが、このようなモダン楽器の方が自分としてはバッハを聴いたという実感があるのは不思議だ。

2つのヴァイオリンのための協奏曲では、日本人ヴァイオリニストの豊田耕児が第2ヴァイオリン(恐らく右側から聞こえる方)を務めている。群馬交響楽団の音楽監督としての名前を知るが、実はグリュミオーにも師事した経歴の持ち主で、ここでは師弟共演ということになる。グリュミオーのようなフランコ・ベルギー派と豊田のつながりはこのCDを聴くまでは知らず、ドイツでの活躍が長かったのでドイツ派のヴァイオリニストかと思っており、意外だった。WIKIPEDIAによるとあのエネスコにも師事したのだという。この曲では、美音のグリュミオーに遜色のない演奏を繰り広げており、なかなか貴重な記録だと思う。

もう一曲は、贅沢な共演で、ホリガーがオーボエを吹いているBWV1060。

たっぷりとモダン楽器によるバッハにひたれる一枚だ。

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