シューマンとサン・サーンスのチェロ協奏曲 ハレル(Vc) マリナー/CLO
シューマン チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 (25:26)
サン・サーンス チェロ協奏曲 第1番 イ短調 Op.33 (19:09)
リン・ハレル Lynn Harrell :チェロ
サー・ネヴィル・マリナー Sir Neville Marriner 指揮
クリーヴランド管弦楽団
録音:1981年 メイソニック・オーディトリアム、クリーヴランド
(F35L-50182 / 410 019-2)
久々のディスク記事。
シューマンとサン・サーンスのチェロ協奏曲は、LP時代にロストロポーヴィチの独奏でシューマンはバーンスタインとフランス国立管(カップリングがブロッホの『シェロモ』)、サン・サーンスはジュリーニ指揮のロンドン・フィル(ドヴォルザークのチェロ協奏曲)のEMI盤2枚組みのものを入手して聴いていたが、それ以来この2曲のCDはなかなか手元に来なかった。ようやく中古盤店で1983年ごろ発売のフルプライス盤が廉価で売っており、入手できた。
リン・ハレルは、セル時代のクリーヴランド管弦楽団の首席チェロ奏者を務めていて、セル没後独奏者として独立したチェリストで、その後パールマンやアシュケナージと組んでアンサンブルをよくしており、先日も彼らによるベートーヴェンの『大公』トリオなどを楽しんだばかりだが、独奏が聴ける音盤は初めてだった。また、あのマリナーがクリーヴランド管を振るとは珍しいと思っていたら、解説にはマリナーのミネソタ管時代にクリーヴランド管のメドウブルック・ミュージック・フェスティバルの音楽監督を兼ねていて気心が知れた間柄だったとのことで意外だった。(2008/9/2追記:マリナーが1979-84メドウブルック・フェスティバルの音楽監督を務めていたのはバイオグラフィーにも載っていたが、このフェスティバルは、デトロイト響のもののようで、クリーヴランド管の方はブロッサム音楽祭というので、マリナーがクリーヴランド管と関係があったのは客演指揮者としてのようだ。)
ハレルは、(記憶に残っている)ロストロポーヴィチの録音に比べると(誰でもそうだが)非常にスマートというか小ぶりな演奏になっているが、むしろこの2曲ではそれが功を奏していて、ずっと親密な音楽になっている。マリナー指揮のクリーヴランド管は、当時はマゼールが常任(音楽監督)だったはずだが、かっちりした透明なアンサンブルによりシューマンの晩年の少々難解な感じの音楽を解きほぐしてくれているようで好ましい。シューマンのメロディーは相変わらず音楽上のロマンティックな意味で悩ましく、聴き応えがある。構成的には全3楽章が連続して奏でられ、くどくどというほど繰り返しが多く感じる曲だが、それがまた魅力的に聞こえるのだから、自分とシューマンの音楽は相性がいいのだろう。
サン・サーンスの曲は、「のだめ」の初期にも使われた曲で、非常にスマートな曲想を持っている。これも大ぶりなロストロポーヴィチよりもスリムでスタイリッシュなハレルの方が聞きやすい。
なお、これら2曲は、このカップリングでは廃盤のようだが、デッカのシューマン曲集、サン・サーンス曲集に収録されている。後者には、ハレルによる2番も収録されている。
(ようやくネットには接続できたが、パソコン回りを置く場所が定まらず、まだスキャナー付きプリンタも接続していないのでスキャン画像はおいおいアップするつもり。追記:2008/08/23 ようやくプリンタなどの置き場所が決まり以前のように落ち着いて書き込みもできるようになった。)
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