2008/09/24 朝日 夕刊 環境エコロジー ライチョウ保護のために「害獣」駆除?
先日のTBSの番組に続いて、今度は新聞でも「脅かされるライチョウ」 高山にサル・シカ 南アルプスでは20年で(ライチョウが)急減という特集記事が掲載された(署名記事:編集委員 武田 剛)。
見出しでは、「食害が深刻化 お花畑も消失」 「温暖化の影響か 早急な駆除が必要」と、対策としては、シカやサル、キツネを害獣として駆除すべきだという結論が読み取れるようになっている。
現代のこの温暖化により、中部山岳地帯の高山や関東山地などでシカが越冬して繁殖しており、このような現象を引き起こしているのだろうが、それでは、歴史時代より前の温暖化期(このブログで一つ覚えに引用する縄文海進時代など)は、これら生物の勢力図はどのようだったのだろうか?温暖化時代には、1000mを越す高地にも縄文人たちが大きな集落を営み(八ヶ岳山麓など)、その頃にはシカやイノシシ(そしてオオカミ)などの獣が高山にまで進出し、ライチョウなどもその生息域を相当北に追いやられていたのではあるまいかと思う。
単純な駆除という考え方では、今度はニホンジカが絶滅しかかったらどうするのか?一時期、ニホンジカも絶滅が心配された時期もあったように記憶する。
いずれにしても(人為によるか否かわからないが)温暖化により生息数が増えた動物が他の動物を圧迫するとういのは、小笠原の野生ヤギなどとは違って自然現象の一つなので、うかつに駆除などという方法で人為を加えないほうがいいように思う。
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