9/21 TBSテレビ 13:00-14:00 噂の!東京マガジン『長野県の鹿害』
2008年8月18日 (月) ようやくネット再接続して帰省のあれこれ でニホンジカの食害によるのではないかと想像される八ヶ岳東斜面に目立つ土砂崩落に触れて以来、気になっていた。
昨日は台風一過の晴天に恵まれたが、今日は昼過ぎから雨が降り始め、家族ともども室内でダラダラしている。昼過ぎに、たまたま新聞のテレビ欄を見たが、噂の現場というコーナーで 「このままではシカノ県?長野に広がるシカ被害」 という文句が目に付いたので、テレビを点けて見るとちょうどそのコーナーが放送されていた。
シカが増えた理由について県は、天敵のオオカミがいなくなったことや狩猟者が減ったことをあげる。狩猟者はピーク時に19000人ぐらいいたが、今は約4 分の1の5000人ほどしかいないという。さらに、本来、シカは厳しい冬の間に雪が積もり、エサが無くなって死ぬことで生態系のバランスが保たれたが、最近は暖かい冬になって死ななくなったと指摘する。
オオカミがいなくなったのは、1905年のことなので、現在急に増えてしまった要因としてはあまりにも歴史的な経緯を無視しすぎているが、狩猟者の減少のデータは信用性が高いだろう。母の実家の近所の親戚も、冬には狩猟をしていたというが、最近母の世代や私達の世代では狩猟を趣味にする人は激減しているらしい。暖冬傾向による餓死の減少もその通りだろう。ただ、国立公園、国定公園内での狩猟自体が非常に厳しく制限されていることもあるようなのだが、それについては特に触れられていなかった。
以前から、日光の霧降高原や奥多摩、丹沢などでも鹿の食害が多く報告されてきたのだが、このような現象はまだら的に起こるのではなく、同時進行的におきているのではないのだろうか。イノシシの増加は、ブタと交配したイノブタが多産の素質を持ち、それが飼育場から脱走したことにより多産のイノシシが増えたという説もあるようだが、シカについてはどうなのか?
あの天井が抜けたような広大な美ヶ原の牧場内を、牛に交じってシカの大きな群れが餌を食みつつ移動するのは幻想的な光景だったが、そうのんきなことは言っていられない。御柱祭に使われるような樹齢100年を越える樹木も幹の下部の樹皮がシカに食われて枯死寸前とも言うし、高山のお花畑もシカに食い荒らされて絶滅が心配され、山地の崩落もそれに伴って起きる。
番組に登場した美ヶ原の人が言うようにあのつぶらな瞳の美しい動物を単純に射殺して、数を減らすというのは自然保護、動物愛護の観点からも矛盾のある話で、人為による単純な間引きは容易にはできないとは思う。番組自体も明確な結論が出せずに、ショーヘイちゃんという陽気な落語家も気まずい雰囲気で番組を閉めざるを得なかった。
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