ルービンシュタインの ショパン ポロネーズ集(全7曲)
ショパン
ポロネーズ第1番から第7番
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
〔1964年3月4-6日&12日、カーネギーホール、ニューヨーク〕
今日は、冷たい雨。一挙に冬がやってきたような日で、最高気温が20℃を下回った。暑さ寒さも彼岸までとは言うが、極端な気温の低下だ。今年は、富士山の冠雪も、日光の初霜も、大雪山の初雪も、温暖化と言いながら、記録的な早さだったという。太陽黒点は相変わらず姿がないようで、太陽風が近年の最盛期の80%程度に弱まっているのだという。人類も、その他の動植物も地球環境の変動に適応しつつこれまで進化(変化)をして来たわけだが、第4間氷期はいつまで続くのか。
相変わらずクサクサ気分は晴れないが、ミチョランマのCDを今日も聴いている。
ショパンのポロネーズは、いつもお世話になっている「主要作曲家の作品表」によると、全部で16曲(『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ』変ホ長調作品22を入れると全17曲)あるが、第8番から第16番は若い頃の作品で没後出版されたものや、没後発見(いわゆる遺作?)などで、一般的には第1番から第7番が普通演奏されるものらしい。それで、ルービンシュタインのポローネズ集も「全集」という扱いになっているようだ。
有名な第3番『軍隊』イ長調、第6番『英雄』変イ長調は、ルービンシュタインのショパン名曲集にも入っており耳なじみ。第7番『幻想』はそれほど聴く機会がないが、それでもホロヴィッツのショパン名曲集に所収なので、何度かは聴いたことがある。
それらに比べてニックネームの付いていないNo.1,2,4,5はほとんど初めて聴くような作品ばかりだが、ワルツやマズルカほど短くなく、スケルツォやバラード、即興曲よりも形式的に簡素なので、初めて聴いても特徴が捉えやすい。
特に聴き応えがあったのは、暗鬱な第1番嬰ハ短調と第2番変ホ短調だ。第4番ハ短調は、主部は重々しいポロネーズだが、中間部(トリオ?)の部分は長調で、またバルカローレのようで比較的寛いだ雰囲気が味わえる。第5番は嬰ヘ短調で、こうみるとニックネームのないものはすべて短調で書かれている。第5番は、変化の多い曲だ。何度か聴いた記憶があるが、耳の記憶と少し異なる部分もあるようだ。中間部のシンコペーションのフレーズなどは他の曲によく似ているのかも知れない。(上記ホロヴィッツの名曲集には『幻想』と第5番と、『英雄』も含まれているが、特に第5番は鬼気迫るほどの凄演だ。ピアノ音色は透明とは言いがたく、粗い音色だが、表現の深みは恐ろしいほどだ。)
今日の気分では、勇壮な『軍隊』や『英雄』は、むなしく聞こえる。メランコリックでグルーミーでデプレッシヴな曲調の方が、癒される。『幻想』は、ホロヴィッツものも名演だが、このルービンシュタインの演奏にも魅了される。
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