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2008年10月 6日 (月)

事件ファイル #16 紬(つむぎ)の里から来た音盤~ムソルグスキー「展覧会の絵」

事件ファイル #15 起死回生のホームラン ~ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」は、いつの間にか、見逃してしまった。2008年 9月28日(日) 午後11:00~午後11:45(45分)にBS2で放送されたらしいが、未だ再放送予定はアップされていない。

今晩は、事件ファイル #16 紬(つむぎ)の里から来た音盤~ムソルグスキー「展覧会の絵」 依頼人 織部 覧 (濱田マリ) 職業 ファッションデザイナー(2008年10月5日放送

(筧利夫,黒川芽以,濱田マリ,【演奏】管弦楽…NHK交響楽団,【VTR出演】玉川大学芸術学部准教授…野本由紀夫,愛知県立芸術大学准教授…安原雅之,日本フィル首席トランペット奏者…星野究,【語り】阪脩) をビデオ収録しておいたのを鑑賞した。

「キエフの大門」のエピソード、実際に黄金の門というキエフの古建築の改築案としてハルトマン(ガルトマン)が応募したのが現在残されているデザイン画だったということは半分は知っていたが、あの音楽の中で、木管楽器群が静かに奏でるメロディーはロシア聖歌を模したものだというのは解説をよく読まなかったせいか、今回なるほどと思った。また、あのデザイン画には、鐘が描かれているが、鐘の音をチューブラー・ベル(チャイム)で鳴らすのは、大門の鐘をそのまま現したものというのに初めて気が付いた。また、途中グロッケンシュピールで、プロムナードのテーマが現われるが、この「キエフの大門」のテーマ自体がプロムナードの変奏だということは、次男も気が付いていたので、それに触れられなかったのは少し残念だった。

ムソルグスキーのオリジナルの楽譜の文字や音符の美しさは驚くほどのものだった。風貌や音楽に似合わず、非常に繊細な性格がうかがわれる。

Bydlo は、愛知県立芸術大学准教授の安原雅之氏により、あっさりと、「ポーランド語で牛のことです。」と片付けられていたのは少々安直だったように思う。NHK出版から作曲家の團伊玖磨が『追跡ムソルグスキー「展覧会の絵」』という本を出しているくらいなので、簡単に片付けるべきではなかったのではあるまいか? 参考ブログ: ombramaifu 展覧会の絵・ビドロ、参考記事: 「展覧会の絵」を聴く3・・・ヴィドロの謎(沼津交響楽団■コラム:「~を聴く」シリーズより)と対立する見解があるようで、このBydloの解釈にも大いに影響してくるものだから。

クーセヴィツキーがラヴェルに編曲を委嘱したのだが、初演は、パリのオペラ座(勿論ガルニエ)で行われたというのは知らなかった。ボストン響との1940年代のライヴ録音を持っているので、ボストン響で初演したのかと思っていたので意外だった。

この夏にサントリー・ホールで、生演奏を聴いてお気に入りになった曲なので、子ども達も熱心に見入っていた。デュトワの指揮N響のコンサートの収録が番組では用いられていたが、やはりナマの迫力は印象的だったらしく、小太鼓がよかったとか、トランペッターにとっては吹き甲斐があるだろうがしょっぱなは緊張するだろうねといっぱしのことを言っていて面白かった。ちょうど、デュトアの指揮モントリオール交響楽団のCDがあったので、少し聴いたが、うまかった。

参照:自己記事 2006年11月17日 (金) ムソルグスキー『展覧会の絵』を聴く

 

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コメント

次の放送の#17と#18の間に2週入るので、#15の再放送は10月下旬にあるのではないかと思います。
また、野球・日本シリーズに出場するチームによっては、11/1と11/8のBS-hiがお休みになる可能性があり、そうなったら日曜のBS-2の放送も再放送になるでしょうから、一段と再放送の可能性が高くなるものと思いますよ。

MEICHIKUさん、先日はトラックバックありがとうございました。また、今回はコメントで、再放送予定の情報ありがとうございます。『ラプソディー・イン・ブルー』も我が家の人気曲でもありますので、今度は見逃さないようにしたいです。

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