ラファエロ・サンティの『ひわの聖母』が修復 修復前の色は?
ニュース記事を見ていたら、「え~っと驚く大修復 ラファエロの傑作公開」というのが目に留まった。スポニチの記事だが、グーグルニュースで検索してみると元々は共同通信の配信したものだった。
今回大規模で、かつ、精密な修復が行われたとのことだが、余りに色彩が明るく美麗なのに驚いてしまった。記事写真では修復前とされるものも非常に鮮やかなのが不思議に思った。(記事の写真はこれ。)
というのも、もう10数年前の新婚旅行のツアー中にオプショナル・ツアーでフィレンツェを訪れたときに、ツアーの自由時間に本当に運良くウフィッツィ美術館にほとんど並ばずに入場できて(駆け足だったけれど)見学できのだが、最初の方のサンドロ・ボッティチェリの間で『ヴィーナスの誕生』や『プリマヴェーラ(春)』に見とれてしまい、その駆け足の最後の方で見逃してはならないとようやく見れたのが、このラファエロ・サンティの『ひわの聖母』だった。
ボッティチェリの絵の大きさには驚いたが、逆にラファエロの絵の小ささにも驚かされたものだった。そしてその画面のくすみ具合と、縦に見られる幾筋かの亀裂にも。(確かこの絵は、フィレンツェの水害に遭ったり、過激派によって強奪されたこともあったりで多難な運命の絵画ではなかったかと思うが、今回ネット検索ではこの絵についてはそのような経緯がヒットしないので、私の勘違いかも知れない。)
さて、今回の記事で、その破損の経緯についてよく分かったが、上記のリンクの修復前と修復後の写真に見られるように、修復前の状態はこれほど鮮やかでなく、亀裂もこんなにひどくなかったはずだと思い、探したところ以前の状態の画像が沢山見つかった。その中で、このCGFAのページの画像はクリアなもので、その状態は以前見たことのあるものに近い。
なお、その後、ローマからパリに行き、ルーヴルで『美しき女庭師』というニックネームの聖母子像なども見たが、こちらもこのような「修復」によって、抜けるような空の青さや輝くような肌の色、鮮やかな聖母マリアの赤い衣装も蘇るのだろうか?
そういえば、ローマではちょうどヴァティカンのシスティナ礼拝堂では、天井画のミケランジェロ・ブォナローティの大作、『天地創造』は「修復」が完了しており、それまでの絵画全集などで見られれたくすんだ色彩とは異なり、衝撃を受けるほど明るい色彩のものに「生まれ変わって」いたのを思い出す。壁画『最後の審判』は、ちょうど修復作業中で、工事現場のような白い布で覆われてしまっていたのは残念だった。その後の修復完了と公開は日本のテレビ番組でも特集が組まれて大きく取り上げられたのだった。
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