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2008年12月13日 (土)

グランプリファイナル2008 女子シングル浅田優勝、男子シングル小塚2位

韓国 高陽市(調べたところソウル市の北西にある町で北朝鮮国境に近い)で行われたISUフィギュアスケートの女子シングルで、浅田真央選手が見事優勝を飾った。また、男子で日本人選手初の優勝を期待された小塚選手は惜しくも2位だった。

前夜のショートプログラムで僅差ながら、地元韓国のスター金 妍兒 (キム・ヨナ Kim Yu-Na)に点数面では遅れをとった浅田だったが、同年齢ライヴァル対決を制して見事3シーズン振りのグランプリファイナル優勝を飾った。浅田が前回優勝したグランプリファイナルは、ちょうどトリノオリンピックのシーズンにあたり、彗星のようにシニアの部に登場した浅田は一躍実力世界一にランクされたのだが、15歳というオリンピックの出場制限にわずかに達せずに、トリノオリンピック出場がかなわかった。その後の2シーズンは、キム・ヨナがグランプリファイナルの頂点を維持していた。ただ、2007/2008の世界選手権では、浅田が世界女王の座を獲得したのだった。

ここ数年、まだハイティーンの極東生まれの二人のスケーター、浅田とキムの対決が女子シングルのハイライトだったことは確かで、今シーズンはキムは絶好調、浅田も徐々に新コーチタラソワとの意思の疎通もスムーズになり演技もジャンプも調子が上がっていた。今回の対決は、来シーズンのカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州でのヴァンクーヴァーオリンピックのプレシーズンということもあり、事実上のトップ二人のライヴァル対決に注目が集まっていた。

昨夜のショートでは、素人である我が家には不可解な判定で、浅田がキムの後塵を拝したこともあり、今日のフリースケーティングは祈るような気持ちでテレビ放送に見入った。

前回のグランプリシーリーズの日本でのNHK杯で挑んだが惜しくも2回目のジャンプが回転不足を取られてしまったトリプルアクセルを2回入れるプログラムに今回も果敢に挑み、浅田は上々のスタートを切った。少しスケーティングにスピード感を欠くように見えるほど、優雅なすべりだった。また、それだけ慎重に滑っていたのかも知れない。大技のトリプルアクセルの2回のチャレンジを今回は文句なく達成し、その後コンビネーションもスパイラルも順調にこなしてはいたが、ふと音楽が途切れた瞬間、トリプルジャンプにチャレンジしての着地時に久しぶりに転倒をしてしまったときには、思わず悲鳴をあげてしまった(後でスローを見ると回転軸が相当ぶれていたように見えた)。しかし、その後はそのショックも尾をひかない見事な精神力で、ストレートラインステップもこなし、最後まで集中したスケーティングだった。この時点では、コストナー、ロシェットが前夜の失敗から大きく挽回し、細かなミスがあった中野と、新プログラムのサンサーンスの交響曲第3番にチャレンジして決して悪くはなかった安藤をリードしていたが、浅田は彼女達を大きく上回る得点ながら、自己ベストやシーズンベストには及ばない比較的低い得点123点で、ショートとの合計が188点程度。190点台を数度出している浅田とキムのレベルではあまりよい得点とは言えず、少し暗雲が漂った雰囲気になった。(何しろ、浅田は女子初の200点越えを目標としているとのことだから。)

最終滑走は、キム。今シーズンの彼女のフリースケーティングは通して見るのは初めて。曲目は、R=コルサコフのポピュラーな『シェエラザード』を巧くパッチワークしたもので、曲想と演技がよく合っていて見ごたえがあった。今晩も昨晩と同じく、キムはトリプル・トリプルを前半で完璧に決めたので、いつもなら自分の応援する選手のライヴァルとは言え、失敗を祈ることなどないのだが、その後、キムも緊張感から珍しく転倒したり、前夜と同じく、スッポヌケの一回転が出たりしたときには思わず「やった」と声が出てしまい、次男に「父ちゃんが昨日母ちゃんに言ったことと違う!」と批判を受けるような言動をしてしまった。反省。キムが演技を終え頃には満員の観衆から盛大な拍手と歓声が巻き起こっていたが、キムの表情はもう一つさえない。浅田がトリプルアクセルを2回成功させていたことは恐らく知っていただろうし、それを凌ぐために彼女が絶対してはならない演技のミスをしてしまったことを強く自覚していたからだろう。結果が出るまで、また不可解な得点が出るのではないかと恐れていたが、ISUのフリーの公式スコア最終順位と得点の通りで、特にテクニカルな面で浅田がキムをリードして、最終スコアでは2点リードして浅田の優勝が決まった。(参考 WIKIPEDIA フィギュアスケートの採点方法

ホームディシジョンがあるかどうかは分からないが、浅田の優勝は、国際大会としては女子初の2回のトリプルアクセルの成功という、誰にも後ろ指をさされない圧倒的なアドバンテージをアピールできたことが大きかったと思う。

男子の小塚は、精一杯の演技だったが、アメリカのアボットのほぼノーミスの演技の前に惜しくも二位となった。これは昨年の高橋と同じ順位。高橋も非常に惜しかったが、小塚はまだ19歳で、これからに期待できる。

ともあれ、素晴らしい演技を見せてくれた選手達にありがとうとおめでとうを言いたい。

p.s. 最近の音楽のリズムが一本調子なものは少ないせいか、先日のNHK杯での手拍子も、今回の韓国での手拍子も、音楽とのズレが相当聞き苦しく、選手の応援になっていないように感じた。浅田はワルツのリズムということもあり、外部の応援でもあるが雑音にもなりかねない手拍子を意図してかどうか分からないがカットしていたが、キムはずれた手拍子に少し滑りにくそうだった。

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