マスメディアも制度疲労?
ここにきて、中川前財務大臣の辞任の原因となったローマでのG7での記者会見での意識朦朧状態について、当初新聞各社が質問もせず、しっかりと記事にしなかったことに対して批判が次々にあがっている。最初は、朝日新聞の投稿欄の一般読者の投稿だったが、「あらたにす」という朝日、日経、読売三紙共同サイトでも東大の准教授が同様の趣旨で、また、朝日新聞のマスコミ批評コーナーでもジャーナリストが同じことを指摘している(この人はNHKの週刊こどもニュースのお父さん役をかつて務めた人)。
記者クラブなどのマスメディアによる仲間内では、どうも今回の中川前大臣の酒癖とヨレヨレ状態は日常茶飯事として特に取り上げるほどのことではなかったが、外国での記者会見でその体たらくが全世界の目にさらされたことにより、マスメディアと政治家、官僚の持ちつ持たれつの閉鎖的な関係が、まさに公衆の面前にさらされたということらしい。
新聞記者だけでなく、テレビも、雑誌もその意味では同じアナのムジナだろう。
大本営発表を流し続けた戦前の日本のマスコミの轍をまたもや踏み始めているということなのだろうか?既に、警察、省庁の記者クラブではそのような状況にあるということがつとに指摘されていたが(田中前長野県知事の記者クラブ廃止など)、今回の「事件」で、日本のマスコミのだらけきった状況が全世界に暴露されてしまった。
これによって、少しは反省が見られるだろうか。注目したい。
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コメント
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ご意見大いに同感です。「マスメディアの制度疲労?」とやんわりと書かれてますが、
制度の疲労?でなく、私に言わしめれば、マスメディアを構成する一部人間の稚拙さと、さらに倫理観を持ち合わせない連中の集まりが制度疲労を引き起こしているのでしょうね。大きな問題ですね。
何か事件が起こると鬼の首とった様に、そのことばかり一日中と言っていいくらいギャアギャア騒いで居ますね。
中川さんのことはもう良いよと言いたいですね。中川さんがあの様な醜態をさらけ出す前に誰か諫める人が居て良いはずですね。それが国民の義務でしょう。政治家だけを責めて、おのれは何ものかと言いたいですね。「庇う」という心が無いですね。臭いものに蓋でなく、人を思いやる気持ちですよ。責めるだけでは人間ダメですね。
私は老人です。昔の大本営発表はお国が嘘をラジオから流していましたが、子供でさえ信用しなかったですよ。
今の報道は自由(倫理規定はあるのかな?)ですから余計に質が悪いですね。いわば言いたい放題ですね。
マスメディアは、屡々、医者、法曹界の倫理観だの、検察・警察、教育者の倫理観を取り上げ評論、批判しますが。
マスメディア自身の倫理観を本気で取り上げたこともありますかね。
テレビで観ると本当だと思うような報道が、後に続々とボロを出して眉唾だと判り始める。都合の悪いことには口を閉じる。
これは、まさに大本営発表とは似て否なるもので、中には個人の人権に関わる質の悪いものまでありますね。
嘘をつくにしてもまことしやかに画像で流すのは良くないですね。大本営発表より怖いですね。
松本サリン事件後、一度は何となく反省の色は見せました。しかし、未だ反省されたとは言い難いですね。
段々酷くなっていませんか?
今の子供達の素直さが無いのはマスメディアの公害が原因だと個人的には思っております。
私の考えすぎでしょうか。
投稿: 森進一郎 | 2009年2月27日 (金) 20:58
森進一郎さん、初めまして。コメントありがとうございます。
高説を拝読し、戦時中の国家総動員法や治安維持法下での「大本営発表」と今の「自由社会」のマスコミの横並び、情報の恣意的な選別、操作、自主的な官製情報の発信は本質が異なり、いわゆる支配層(エスタブリッシュメント)の庶民支配の現われなのかも知れないと思い至りました。その意味で余計性質が悪いのかも知れません。また、「松本サリン」事件での、特にテレビのワイドショーと週刊誌の暴走が記憶に残っています。
マスコミの発信する情報の受け手の質がマスコミの質を左右し、政治家を選出する選挙民の質が政治家のそれを左右するという、鶏と卵的な論議もありますが、ノブレス・オブリージュ的な矜持の高さを、「選良」と自称する政治家、官僚、マスコミ各位にはもう一度思い起こしてもらいたいものだと、僭越ながら思っております。
投稿: 望 岳人 | 2009年2月27日 (金) 22:19