モーツァルトのK.314(285d) 原曲Ob協奏曲Cdur, 編曲Fl協奏曲Ddur
またしてもiTunesネタ。
数年前にカラヤンがサンモリッツでベルリンフィルのソリストたちと録音したモーツァルトの木管楽器の協奏曲集(Ob, Cl, Fg)を記事にしたが、既にこれはiTunesに取り込み済み。
今日はランパルが、テオドール・グシュルバウアー指揮のヴィーン交響楽団(Symphoniker)とERATO入れたフルート協奏曲集を取り込み久々に鑑賞した。ERATOの比較的廉価なCDは、当時住んでいた地方都市の本屋CD店でもよく見かけたので、何枚か買ったが、これもその内の一枚。もう20年近い付き合いになる。最近はとんと聴かなかったが、今回久しぶりに聴いてみるととても懐かしい。CDには録音年はクレジットされていないが、情報ではどうやら1966年の録音らしい。モーツァルトを得意としていたグシュルバウアーも今では数枚しかHMVのリストに残っていないし、このCDも現在はそのリストに含まれていないようだ。
さて、モーツァルトの伝記としては有名な話だが、パリへの就職活動旅行に出かけたモーツァルトは、ドゥジャンというアマチュアフルーティストからフルート協奏曲とフルート四重奏曲の注文をもらって作曲したが、その内現在第2番のフルート協奏曲ニ長調は、実はザルツブルク時代に作曲したオーボエ協奏曲ハ長調を全音上に移調して「編曲」したものだということが知られている。そこで、この2曲は、K.314というまったく同じケッヘル番号が付けられ、ケッヘル第6版でもK6.285dと名づけられ、別の曲としての区別が行われていないとても「不思議な」扱いになっている。
コミック「のだめカンタービレ」で有名になったオーボエ協奏曲だが、フルート協奏曲の方も改めて聴いてみると(こういうときにデータ化した音楽データは便利で、リストを選択するだけで聴き比べができて、ハ長調とニ長調の違いが簡単に確かめられる)、Mozart con graziaのK.314のページに書かれているように、まったくこちらが初めから作曲されたものと言ってもまったく不思議でないほどフルートの魅力を引き出しているように聞こえる。
オーボエとフルートの発音の仕方の違いもあるのだろうと思うし、調性がオーボエの方が全音低い調ということもあるのだろうが、オーボエ協奏曲の方やはり地味な感じを受ける。ただ、それが第2楽章のAndante ma non troppo などでは、息の長いオーボエの旋律が心に沁みるように感じる。
これをK.313(285c)の方のオリジナルの第2楽章、Adagio non troppo は、オリジナルのフルートなのか、フルートのオーボエに比較しての息の短さに合うように、フレーズの長さを短く工夫しているように聴こえるが、どういうものだろうか?
Mozart: Oboe Concerto in C major, K.314
- 1. Allegro aperto 7:27
- 2. Adagio non troppo 7:27
- 3. Rondo. Allegretto 5:34
Lothar Koch(ob), Herbert von Karajan / Berlin Philharmonic Orchestra<1971>
Mozart: Flute Concerto No.2 in D major, K.314
- 1. Allegro aperto 7:32
- 2. Adagio ma non troppo 7:45
- 3. Rondeau: Allegro 5:44
Jean-Pierre Rampal(fl), Theodor Guschlbauer / Vienna Symphony Orchestra<1966>
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