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2009年4月 2日 (木)

2009年度が始って2日目

通勤電車が混み始めた。3月下旬は学校も休みなので、学生、教師が通勤、通学に電車を使わなかったこともあるのだろう、朝晩とも結構空いていて快適だったが、さすがに新年度の4月1日からは特に夕方の帰宅時間の電車が混み始めた。

これも毎年のことだが、この時期はまだ電車に乗りなれない人が多いせいか、駅で停車したら、降車する人を通すためにドア周辺にいる乗客はいったんフォームに降りるとか、混雑時に他人と身体を密着するのを嫌う気持ちは分かるが、最大多数の幸福のために、自分だけ別の方向を向いて無用なスペースを作らないとか、なかんずく携帯電話の操作や雑誌・書籍・新聞を他人の背中を使って読むというような非常識な行動を謹んでもらいたいと思う。

冬の間は、それでもそのような非常識な乗客は減っていたのだが、春になってからはなぜか増殖しているのが不思議でもある。

さて、連日ニュースや週刊誌が話題にしている北朝鮮のミサイル(大陸間弾道弾ICBM)もしくは、人工衛星打ち上げロケットについて、非常にきな臭い雰囲気が漂って来ている。日本は政府が迎撃を命じ、打ち上げられたミサイルもしくはロケットのコースにあたる東北地方に迎撃用のパトリオット(湾岸戦争でよく名前を耳にした)を移設配備したというが、それに対して迎撃などをしたら日本に攻撃をするというような恫喝を北朝鮮高官が発したというニュースも伝わってきている。

このミサイルもしくはロケットの打ち上げ(実験)がたとえ北朝鮮の示威行為だとしても、それほど過剰に反応すべきことなのだろうか?いわゆる先進資本主義諸国は、ICBMを持たない日本でさえ、H2A型の連続成功で、実質的にミサイル大国に「加盟」しているし、いわゆる共産国の中国も宇宙飛行士搭乗の人工衛星を打ち上げて、飛行士を無事生還させるだけの技術を築き上げた。確かに北朝鮮はその特異な国家体制と外交戦略により、世界の孤児的な存在ではあるが、なぞこの国が「実験」を行ってはいけないのか?「核」開発にしても、冷戦時代から世界には全人類を何十回も滅亡させることができるだけの爆弾が製造、貯蔵されており、核大国である先進国は現在はその廃棄を少しは進めつつあるが、それでも自分達だけは既成事実として保有を続けている。さすがに最近は核実験のニュースは伝わってこないが、フランスなどは環境問題も言うもおかしくなるほどの、核実験を楽園のようなフランス領南太平洋で行ったのはいつのことだっただろうか?世界の人々はこれを強く非難はしたが、仲良しクラブ内のできごとととしていつの間にか記憶のかなたにかすんでしまっているほどだ。

確かに、領空の上空(といっても高度何メートルまでを領空というのか?)を、ミサイルもしくはロケットが通過するのは気持ちのいいものではないが、世界中をの上空を所狭しと軍事衛星が飛行(静止?)し、カーナビや携帯電話のGPSも、アメリカ軍の軍事衛星データであるのだから、嫌われ者の国のすることだから非難し、友好国のものだから少しは気になるが文句は付けないで置こうというのは、どうも未熟な国際社会を象徴するようなことのように感じてしまう。

もちろん、無事この「実験」だか「示威」が過ぎ去ってほしいものだし、北朝鮮高官も恫喝はやめてほしいものだが、このような未熟な国家関係が続く限り、似たようなことは今後も起こるのだろうと思うと、暗澹とした気分になる。領土紛争も、国内の隣人同士の醜い争いと似たようなものだし、少し歴史的なパースペクティブを長く取れば、取るに足らないことだと考えるべきことが多いように思う。

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コメント

なぜこの国が「実験」を行ってはいけないのか? -

誰もが思う素朴な疑問であり、国連決議の内容も詳細は知りませんが、北朝鮮がそれだけの軍事力を持つことは直ぐにも恫喝に使うことは明白なので問題なのですね。ご指摘のように同様の軍事力を防衛を根拠に保持している小国は沢山ありますが、北朝鮮の場合休戦中のため軍事的な猛威は受けておらず根拠が不足していて、尚且つ政治的な不安定さがありますよね。

なるほど中国の軍事力の突出も軍事バランス上猛威ですが、再三に渡り先制攻撃には使わないと宣誓しているのと、北朝鮮のように軍事的な興味を覗かせながら平和利用と主張するやくざ的な脅しの方法とは大分異なります。

私見としては、市民の安全とか日常生活とかの防衛を根拠にした迎撃態勢の日本政府の言い分けも、そうした本当の軍事バランス上の戦略を十分に隠し切れていないのが問題でしょうか。勿論、集団的防衛権よりも先にイスラエルが主張するような自衛権は存在するに違いありませんが、これによって米国や日本国内の防衛軍需産業の経済支援となり、それが「持てば使わずにはいれない業」へと落ちて行くのも間違いありません。

pfaelzerweinさん、コメントありがとうございます。

大量破壊兵器開発の「証拠」が発見されたという「嘘」の情報により、強引にイラク旧政権を崩壊させたイラク戦争の記憶もいつの間にか薄れてしまった昨今ですが、国際社会は疑心暗鬼によりまた同じ愚をおかそうとしているのではないかという危惧があります。もちろん、当時のイラク国内の独裁的、抑圧的な政治体制、国際非強調路線を支持すものではまったくありませんが、主権国家の主権は平等という建前があり、それを凌駕する正統的なスーパーパワーがない現状では、今回の国連決議違反の主張もむなしいものでしかないように思いました。

軍事的、経済的安定(暴力による均衡)を望む世界の為政者たちにとっては、跳ね返り国家(戦前の日本のような)は煙たい存在であり、それこそABCD包囲網のような経済制裁、国際連盟での非難決議のようなもので、それこそ孤立無援に追いやって暴発させたという歴史もありますので、かの国をあまりにも追い詰めるのは、かつての歴史に学ぶときにはあまり奨められたものではないようにも思ったりします。

それでも、制御を失ったミサイルもしくはロケットが日本国内に落下してくることですが、これが理論的な可能性としてあるものかどうかは、寡聞にして知りません。杞憂に近いとは思いつつ、何もないことを祈りたいと思います。Xデイとされる4月4日 日本時間朝6時20分記す。

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