新型インフルエンザ感染者が関東でも
あらたにすでも比べることができるが、日経も読売も朝日も(東京本社版ということもあるのかも知れないが)新型インフルエンザ感染者が二名関東地方でも確認されたことが、一面の大ニュースとして報じられていた。報道によれば、二人ともこの時期にニューヨークに「模擬国連」という学生の一種の研修に出かけた高校生で、ニューヨークで感染したものらしく、国内での人から人への感染ではないということだ。
既に神戸、大阪、滋賀と感染者が拡大しているので、新幹線でほんのわずかな時間で往来できる沿線や関東地方でも人から人への感染も時間の問題かと心配していたところ、意外な知らせではあった。
手洗い、うがいは励行しているが、まだマスク(この土日にあっという間に売り切れが続出すたらしいが、この冬の季節性インフルエンザ対策で購入してあった使い捨てマスク)は着用していなかったが、今回比較的身近で感染者が発生したことで、今日の帰宅時には電車内で着用した。今日着用したのは、どうも新幹線でおそらく西日本から帰宅して在来線である私が利用している近郊路線に乗り換える中学生の修学旅行生が大勢いたこともあった。
弱毒性ということが言われているが、できれば感染したくないものだという意識がある。罹患すれば仕方がないこととはわかっていても、どうも我ながら少し神経質になっている。気分的には晴れ晴れしないし、他人の掛けているマスクも気になるし、咳やクシャミもいやな気分になる。神経戦のようなもので、このようなストレスが逆に抵抗力を落とすことにもなるのだろうから気をつけなければいけないと、どうも堂々巡りになっている。
Yahooニュースを見ていたら雑誌記事のカテゴリーの中のプレジデントの記事で、「人類史から見た、感染症とパンデミックの起源」という結構長いパースペクティブの面白い記事を発見した。農耕と家畜の飼育が、人類史の上で、細菌、ウィルスによる感染症を人類に蔓延させることになる転換点だったということが指摘されている。安定した食生活と人類の増加、それと感染症は表裏一体のもので、その流れに今回の新型インフルエンザもあるということらしい。
私が大学生の頃に、HIV(human immunodeficiency virus)いわゆる、AIDS(Acquired Immune Deficiency Syndrome)ウィルスの流行が報道され始め、ウィルスというものの驚異を思い知らされたものだが、最近ではその報道もすっかり下火になり、新型インフルエンザがマスメディアの格好の材料になりつつあった。AIDSウィルスの感染は、特殊な接触による以外はほとんどありえないということが認識されたので、それへの防御は自らの意志次第のところがあるが、今回のように人類の多くが免疫を持たないウィルスの感染は、通常の季節性(という言葉も今回初めて知ったが)インフルエンザと同様、咳やくしゃみなどによる空気中への唾液・鼻水の飛沫の乗ったウィルスの飛散、そのような唾液、鼻水の付いた物に手などで接触し、それで口や鼻、目に触れることで感染するということだ。
現代のように、過密な移動環境で日常的に長距離の移動が行われたり、数多くの閉鎖手的な空間に多くの人々が集まるという生活形態では、このような感染をする感染症を防ぐ手立ては非常に限られているだろう。日本では、非常にこのウィルスに対して神経質になっている人が多いようで、諸外国から奇異の目でも見られているようだが、江戸時代末期にも、コレラや天然痘が長崎に来航した外国船員が感染源になり、ついには江戸から東北地方まで伝染していったということも、時代小説(『半七捕物帳』など)にも書かれている。
比較的安穏と暮らしている現代ではあるが、今回の騒ぎを乗り越えることで、個人、集団に何らかの成長経験が得られるかも知れないという期待もある。
また、今日は、様々な問題が指摘されている「裁判員制度」が実施の運びとなった日でもある。特に映画『十二人の怒れる男たち』で描かれたような米国流の陪審員制と異なり、有罪、無罪だけでなく、過去の判例や法令解釈の知識も本来は必要な量刑までも裁判員が行わなければならないということ、最近多い残虐な犯罪も裁かなければならないこと、誤審に関しても危惧があること、そして誤審とも関係するが、罪のない人物を死刑にする可能性もあること、など、特別な訓練を受けていない一般人を犯罪の修羅場に投げ込むような制度であり、また守秘義務違反への罰則なども裁判員と裁判官との間の扱いも公平を欠くようなものとされている。一部では徴兵制のような扱いも問題になっており、国家権力の傲慢さが浮き彫りになっている制度だとも言える。司法への国民の参加は本来は望ましいことなのだが、拙速に過ぎるというのが今日始った制度だろう。おそらく多くの手直しの論議が巻き起こるのではなかろうか?
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