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2009年12月27日 (日)

年賀状を書き(作り)終わりフィギュアスケートなどをテレビ観戦

年々、年賀状を書く(現在は、パソコン操作で作成するというほうが適切な言い方か?)のが面倒になる。何、作り始めてしまえば、一日も掛からずに、約100枚程度の印刷まで終わってしまうのだが、着手に非常に時間が掛かる。重い腰がどんどん重い腰になるようで、今年はもう出すのを止めたいと思ったほど。それでも子ども達が出したいというし、女房も友達には出したいと、自分で手書きを始めるしで、親戚、知人宛にようやく今日の午前中から始めた。

来年は、庚寅 かのえ とら 年になるらしいので、毎年恒例の干支の動物写真がメイン。

面倒なのが、住所変更があったり、年賀欠礼だったりする知人をこの時期に改めてチェックすること。普段からこまめに住所録をメンテナンスしておけばいいのだが、マメな性分ではないので、どうしても後回しになってしまうのが、いけない。

土曜日のbe 読者とつくる 「今年はいい年だった?」というアンケートの解説的な小コラムに、「無力感と戦う人生」という少々風変わりな一文が掲げられていた(無署名)。「精神科医の春日武彦さんいよれば、人の行動原理や感情の多くが『無力感』に根ざしている」というこれまであまり聞いたことのない、心理学の考えが書かれていたのだ。とても興味深い説だと思う。この無力感というものと、なかなか課題に取り掛かれないという気持ちと、何か通じるような気もする。

日曜日の「重松清さんと読む百年読書会」で1月の本として「雪国」が取り上げられていたが、日々雑録 2003.1.15-6.18 の中で書いた以下の感想と似たものが多く載っていて面白かった。 「冒頭は知れれているが最後まで読まれたことがない名作ランキング」の上位常連という意見があったが、その通り。また、「こんなになまめかしい小説だったとは」という意見や、女性からは男性の身勝手という意見が多く、面白かった。先日読み終えた加藤周一「日本文学史序説」では、川端康成の多くの作品とこの「雪国」との差に言及しており、自分流に言うとモデル小説的な書き方ゆえにか、川端の多くの作品では、女性が人形として書かれているが、この小説では女性が自律的に描写されていて、生身の存在感が感じられるというところだろうか。

●2003年2月5日 (水)  読書と年齢

この年末年始に実家に帰ったとき、主に学生時代までに読みためた文庫本のなかから名作川端康成の「雪国」を手にとって読み直してみた。定評のある名 作ということで、中学生や高校生が読む機会もあるのだろうが、このような作品をその年代で理解できるものだろうか、と思った。私自身もその年代で読んだと は言え、ただ字面を追っていただけのような気がする。

妻子を東京に持つ男島村が旅先の雪国の温泉町の芸者駒子と深い仲になるというのが大雑把な筋書きで、極論すれば花柳小説の一種である。きわどい描写 は避けられているが、男女間の交渉のこともはっきり描かれている。確かにこまやかな描写力や抒情性は凡百のものではないが、そのような男女の機微的なこと は若い時代にははっきりと理解できないだろう。相当にませていれば別だが。

年齢にふさわしい読書というものがある。そういう意味で、雪国は、いかにノーベル文学賞作家の代表作とはいえ、中学高校生が読書するにはあまりふさわしいとは言えないだろう。

さて、司馬遼太郎原作のテレビドラマ「坂の上の雲」を見ていたので、その裏で「録画収録」で放送されていたフィギュアスケート女子の全日本選手権フリーの放送をリアルタイムでは見られずに、後でPCに録画していたのを見たのだが、見事浅田真央選手が四連覇を成し遂げた。完全な復調のようで、今シーズンの大スランプからようやく抜け出せたようでよかった。我が家では、ラフマニノフの『鐘』の弔鐘のような音楽がいけないのではないかというような意見も出るほどで、グランプリファイナルでも見ることができずストレスがたまっていたが、これでようやく吹っ切れた。鈴木明子選手と中野友加里選手の競い合いは本当に僅差だったが、鈴木選手が2位に入り、昨シーズンで世界選手権にも出場し、今シーズンを通して鈴木選手が中国杯で優勝し、グランプリファイナルにも出場するという鈴木選手の活躍に、復調した中野選手が僅かに及ばなかったというところで、中野選手は2回の五輪とも出場が叶わないという結果となり、かわいそうだったが、それが勝負の世界の厳しさなのだろう。安藤選手は先のグランプリファイナルでの2位で内定していたが、今回は4位ということで、トップ4人の実力差は僅差だった。ベテラン村主選手は、渾身の演技だったが、さすがに往年の切れがなかった。ご苦労様と言いたい。男子は、織田、高橋、小塚の3人が出場することになった。男女とも3名が出場という非常に贅沢な五輪となる。ただ、ペアは日本からの出場はない。ペア競技はまだまだ歴史が浅いということだろうか?アイスダンスは、リード姉弟(日米両国籍を持つ)が日本からの出場。

「坂の上の雲」の映像化は、なかなか素晴らしいが、正岡律と秋山真之のロマンスめいた扱いは原作にはあっただろうか?少し気になっている。原作には夏目漱石の登場シーンはあまりなかったと思うが、「坊ちゃんの時代」の関川夏央が脚本家陣に名前を連ねていたので、多分その影響もあったように思う。漱石の予備門時代の英語による数学の答案用紙を数年前の漱石展で見る機会があったが、予備門で子規、漱石、真之が同級生であり、英語教師として高橋是清が彼らを指導したというのは原作では気がつかなかった。

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