のだめカンタービレ #22, #23(最終巻)
ここ数年漫画、ドレマ、アニメーションと楽しませてもらった「のだめカンタービレ」の原作がとうとう最終巻を迎えた。スペシャルドラマのパリ編が2008年の正月早々の放送で、昨年末からは最終楽章ということで、クラシック音楽ファンにとっては聖地の一つであるヴィーンのムジークフェライン・グローサー・ザール(楽友協会大ホール)での現地ロケを行ったとのことで、早速映画を見に行かれた方も多いようだ。
最終巻の後付を見ると、2009年11月27日第1刷発行とあるので、すでに1ヶ月以上経過してしまっているし、#22のほうは、2009年8月10日第1刷発行。
この年末に風邪で休養しているときに、全巻取り出してきて全23巻を通読してみた。カテゴリーに、漫画「のだめカンタービレ」などと年甲斐もなく作成しているので、ラスト2巻の感想を簡単にメモしておきたい。
第22巻は、2008年9月 4日 (木) のだめカンタービレ#21 での序奏的な部分に始まり、最終楽章のクライマックスが奏でられたという印象だ。既に発刊後相当経過しているので、ネタバレ的に書くと、#21のラストで暗示されたシュトレーゼマン(のだめには相変わらず「ミルヒー」)との共演が実現し、いきなりの世界デビューとなる。曲目はショパンのピアノ協奏曲第1番。このあたりの描写は、二ノ宮知子の真骨頂で、音楽が聞こえてくるし、音楽を聴きたくなる。この描写で連想したのは、アルゲリッチならぬ、ツィメルマンの弾き振りの有名なロマンチックな解釈のオーケストラが聴ける録音だった。(参考記事の中でちょこっとこの録音に触れている。) 最近聴いた中では、1994年録音のオリ・ムストネンのピアノとブロムシュテット指揮サンフランシスコ響のもの(DPM、こちらに的確な寸評記事あり)が、絶滅危惧種的なロマン派ではなく、新しいユニークなショパンを聴かせてくれていたが、のだめとミルヒーはこの路線ではないだろう。
鮮烈なデビューに世界中は大騒動、このところ体調が優れなかったミルヒーものだめのピアノに刺激されすっかり元気を取り戻したのだが、のだめはこのミルヒーとの共演で力を出しつくし、雲隠れ。しかし、のだめをパリに呼んでくれて指導中のオクレール教授がのだめの突然の休学、デビューにも関らずのだめを見捨てていないようなのが救いか。のだめのエジプト行きは、マーラーの交響曲第2番「復活」に掛けた「蘇り」への暗示だろうか?また、真一と父のピアニスト雅之との再開は?
そして、第23巻が最終楽章。のだめは、復活できるのか。
まだ、この巻は発売されてからあまり間がないので、ネタバレは自粛。これだけの長編だったが、フィナーレとしては、ベートーヴェン的なコーダの主和音の強調ではなく、ゴルトベルク変奏曲のように、最初のテーマや途中にエピソードが再現されたような形で、比較的あっさり終わり、余韻を残してくれた。私としては、それほど不満がない。あのエピソードも、このエピソードも膨らませれば・・・という希望はあったが、オクレール先生にも、ニナ・ルッツにも認められたので、・・・という風に、想像の余地がある終わり方もいいのではなかろうか?
なお、映画の公開に併せて、1月15日(00:45)からはフジ系の深夜アニメ「NOITAMINA」で、のだめカンタービレ フィナーレ が放映されるという。映画も見たいが、こちらで我慢か?
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