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2010年2月17日 (水)

長島銀、加藤銅おめでとう だが、スピードスケートの韓国の驚異的な躍進に驚く

ようやくスピードスケート500mで長島選手が銀、加藤選手が銅メダルを獲得して大変喜ばしいのだが、それにも増して韓国の伏兵のモ・テボムが金メダルになったのには驚き、少しショックを受けてしまったというのが本音だ。

男子5000mでもイ・スンフンがアジア勢としては初めての銀メダルを韓国選手が獲得しているし、何と今日の女子500mでも韓国のイ・サンファ選手が金メダルをとってしまった。ここ数回のオリンピックで韓国のショートトラックスケートの強さが目だっていたが、フル規格の400mリンクを使ったスピードスケートでもここまで強くなっているとは正直驚きだ。

もともと今スーズンの男子500mでは、韓国の二人のイ選手(イ・ギュヒョク、イ・ガンソク)が、1位、2位を占めており、今回も優勝候補だったので、韓国が強くなっていることは聞いてはいたのだが。(この2選手は、今回の整氷器の故障での中断により、下馬評が逆にプレッシャーになったという意見もあるようでメダルには届かなかった。)

こういうときには、大新聞といえどもナショナリズム一色となり、他国の選手についての報道が少なく、なぜ韓国が強いのかについての冷静な分析記事を読むことができない。

朝鮮日報の日本語版がネットで読めるので開いてみたところ、韓国のスピードスケートの強さの秘密がそのまま記事になっていた。モ選手はすっかり英雄で、記事もやたらと多い。ただ、この「秘訣」の記事では、とりたててその秘密が明らかにされているわけではない。低い姿勢はモンゴロイドとして同様な胴長短足体型(別に卑下したり蔑視したりしているわけではなく、コーカソイドに比較しての特徴)の日本選手もとりわけ長島選手や女子の岡崎選手も追求しているのでここに今回の韓国の躍進の秘密があるのではないようだ。

特に短距離では、全体的に欧米のスピードスケートの地位の凋落もあるのかも知れない。旧共産圏も自由化で素質のある選手が集まらないのではないか。スピードスケートは陸上競技などに比べるとマイナーだし、競技会での賞金なども陸上に比べたら桁違いに少ないだろうから。オランダではスケートは日常的なスポーツで国技とのことで、ナガノではオールラウンドで強かった印象があるが、今大会はまだ振るわないようだ。これからどうなのだろうか?アメリカもかつてのエリック・ハイデンのようなスーパースターは不在で、地元カナダも500mの現世界記録保持者でベテランのウォザースプーンも活躍できなかった。

スピードスケートも日本期待の男女1000mや、追い抜きなど競技が目白押しなので、じっくり日本、韓国、中国の東アジア勢の活躍を楽しみながら、スケート強国の勢力図の変化の模様などを眺めてみたいものだ。

なお、今日の夕刊で、ナガノの金メダリスト清水宏保氏(男子500mで観客席に宮部保範氏と並んで観戦していたのがテレビに映った)が、銅メダルの加藤選手に先輩として愛情のある暖かくも厳しい「書簡」を寄せていて、かつての第一人者による苦い良薬として感心した。加藤選手はどう応えるだろうか?

追記:2010/2/22 朝日夕刊の一面に、韓国のスピードスケートの躍進についての解説記事が登場した。88世代というらしいが、1988年韓国の経済発展に勢いがついた頃に生まれた世代がこのスピードスケートの隆盛をになっているらしい。フィギュアのキムヨナは90年生まれ。世界企業となった韓国財閥系が経済的なバックとなっていること、メダリストには報奨金、終身年金、そして男性には兵役が免除されるに等しい待遇が受けられるというのもモチヴェーションをあげる背景になっているようだ。

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コメント

中国でなく、韓国というのはやはりそれだけ経済的な基礎が必要という事でしょうか。しかし、朝鮮半島は、日本よりも氷結する河川なども多いと思いますので、潜在的にはオランダと同じでスケート人口が多いと思います。温暖化で状況はかわってきましたが、ドイツなどでも琵琶湖のようなボーデンゼーが氷結してそこでスケートを楽しむ事からやはり環境が違いますね。今後はなにもかも中国無しではありえないでしょうね。

pfaelzerweinさん、コメントありがとうございます。

日本はヴァンクーバーより+17時間の時差で、日本の朝7時が現地の前日の14時になり、土日には朝からライヴで現地の競技を楽しむことができています。

今日の男子1000mでは韓国の英雄となったモ選手が銀メダルを獲得しました。金はトリノの覇者の米国の黒人選手シャニー・デービスが連覇。今回は日本選手は入賞もなりませんでした。韓国のスピードスケートの強化は経済力の裏付けのあってのことだと私も思います。

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