エコカー プリウスの「ブレーキ抜け」のこと
今日の朝刊の1面にトヨタ社長の陳謝の記事が大きく掲載されていた。品質問題は「危機的な状況」との見出しだ。
我が家のクルマはプリウスではないが、トヨタ製(一部ダイハツと言うことだが)のコンパクトカーに乗っているので、トヨタの品質問題はひとごとではない。丸3年前に購入して昨年の後半に1回目の車検も終わり、これまで大きな不具合はなかったが、その間に2回も軽度のリコールがあった。トヨタの副社長の記者会見で耳についた「フィーリング」的には、このコンパクトカーはCVT(無段階変速)車ということもあるのだろうが、プリウス同様やはりブレーキ時に完全停止する直前に少し加速するような感覚を覚えることがあった。ただ、この違和感は前のABSもついていない古い別のメーカーの車からの乗り換え時直後に気になることがあったもので、数ヵ月後には馴れもあって消える程度の軽いものだった。(Vitzのブレーキの癖はこの価格コムのスレッドで議論されているのと同じもの)
さて、現在(軽自動車以外では)日本で最も売れている乗用車であるプリウスの「ブレーキ抜け」といわれる不具合に関しては、このところのアメリカ運輸省長官?のトヨタ車の急加速、アクセルペダルへの痛烈なクレームや、アメリカでのプリウスのブレーキ関連のリコールに始まり、とうとう日本でも今朝の朝刊の事態にまで立ち至ったので、本当のところ「出る杭は打たれる」式のマスヒステリー的なバッシング(アメリカのマッカーシズムなどその典型例)なのか、それともクルマ自体に根本的な原因がある不具合なのか調べたくて、ネット情報を見ていたところ、自動車評論家として私も名前を知っている人のブログに行き着いた。
プリウス ブレーキ抜け:国沢光宏 という記事だ。日時が表示されていないが、コメント投稿欄の末尾を見ると2010年1月12日ということが分かり、コメントを読みすすめていくと、どうもマスコミが騒ぎ出す相当以前にプリウスユーザーの間ではブレーキの抜けについては話題になっていたらしい。
ここに投稿されている多くのユーザー報告は、マスコミ報道では得られないプリウスオーナーであるドライバーの真実味のある書き込みがほとんどで、この問題が旧プリウス時代から体感されていたのがよく分かった。
こちらのブログは、昨年末にプリウスオーナーになった方のブログで、ブレーキ抜けの体験(1/4)とディーラーへの連絡、ディーラーの対応について冷静に書かれている。
ブラックアイスバーンなどの滑り易い路面での低速走行時の緩いブレーキで、ブレーキ抜けが発生しやすいようだ。価格comでも2009/12/8付けでオーナーによるブレーキ抜けの報告があり、延々と議論が続いている。
なお、欧米で発生しているというアクセルペダル問題は、日本製では問題がないという発表なのだが、どうなのだろう。
追記2010/02/12: トヨタの社長による「リコール会見」とブレーキ問題の詳しい解説記事がこちらに載っていた(Car Watch)。この記事(組込みソフトウェア工房)を検索で見つけてたどりついたもの。
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情報有難うございます。私なりに理解出来てきました。私の経験からするとプリウスほどに酷くはなくても、トヨタ社のABSの技術に問題があると感じてます。
投稿: pfaelzerwein | 2010年2月 6日 (土) 19:49
pfaelzerweinさん、コメントありがとうございました。
トヨタの品質管理の厳しさはこれまでトップクラスだと信じていましたが、昨年のアメリカでのフロアマット騒ぎに端を発した一連の品質問題について、とても心配に思っています。欧米での調達部品の問題だけなら、拡大路線のツケだとみなすこともできますが、最先端技術を使った日本製のいわばフラグシップが走る、曲がる、停まるの最も重要な要素の内の停まるに不安があるというのは、最先端技術そのものへの不安に繋がる恐れがあります。
オーナーの方々のブレーキ抜けの報告を読んでみると、低速走行時の緩やかなブレーキ作動の際、滑り易い路面(マンホールの蓋を1つの車輪が踏んだ際や、段差を乗り越えようとした時も)でブレーキが突然効かなくなり、追突しそうになったという事例が多いようです。単に油圧ブレーキと回生ブレーキの切り替えのタイムラグの発生というのではない、ABSブレーキとの関連性も懸念されるように思いました。
投稿: 望 岳人 | 2010年2月 6日 (土) 21:38