ヴァンクーヴァーオリンピック フィギュアシングル 男子 高橋大輔銅メダル
日本時間の昨日2月19日昼(現地2月18日夜)に行われたフィギュアスケートの男子シングルフリースケーティングの結果、高橋大輔選手がこのフィギュアスケートシングルの男子競技としては日本人初のメダルを獲得した。金メダルはアメリカのライサチェク、銀メダルはソルトレーク銀、トリノ金のロシアのプルシェンコだった。
日本から3人出場したが、織田信成選手は7位、小塚崇彦選手は8位に入賞した。
上位入賞が期待されたフランスのブライアン・ジュベールやアメリカのジェレミー・アボットは予想外の下位に沈んだ。また地元カナダのパトリック・チャンは5位に終わった。
高橋は4回転に失敗したが、この4年で身につけた表現力が十分に発揮されて見ごたえのあるスケーティングだった。銅メダルに相応しい風格も漂っていた。
織田は途中まで素晴らしく軽やかなスケーティングだったが、あと1分ほどの持ち時間のところで、ジャンプの着氷時によろけて手をつき、そのまま演技を中止して、審判のところに滑っていき、靴紐が切れたことを申告し、中断が認められリンク外で紐を縛り直して、中断した箇所から演技再開し、最後まで見事に滑りきった。初出場でライサチェクの演技直後ということもあり緊張していたというが、このトラブルがなければ上位を窺えたできだったので惜しい。彼の談話によると、練習時から紐の状態はよくなく切れるかも知れないという懸念はあったが、この靴と紐の微妙な感覚を狂わせたくなかったので敢えてそのまま本番に臨んだのだという。トップ選手ならではの繊細な感覚ゆえのトラブルということを知り、オリンピックの魔物がここにいたかと驚かされた。波乱万丈でペーソス溢れるチャップリンメドレーだった。
小塚は、自身初の4回転に成功し、20歳の初出場で見事入賞した。一回の転倒は惜しかったが、実力を出し切れたのではなかろうか。4年後のロシア黒海沿岸のリゾート地ソチでのオリンピックに期待ができる。さらに体力を付けて望んでもらいたいと思った。
急遽2009年にカムバックしたプルシェンコは、得意の4回転を決めたが、そのほかのジャンプが回転軸が大きくずれるなど流麗さと連続性に欠けた演技で、本調子ではない様子だった。本人は不満そうだったが、銀メダルを取れたのはよしとすべきだろう。
ライサチェクは、細身の長身で長い手足を、黒のコスチュームにくるみ、ダイナミックで美しい演技を披露した。2009年12月の東京でのグランプリファイナルで優勝したときに注目してみたが、その演技がさらに磨かれた感じだった。四回転には挑戦せず、プルシェンコはそこを強く批判していたが、それぞれの強み、個性、そして問題があるとは言え現在の採点方式が必ずしも高難度ジャンプとその挑戦を高く評価しないという思想なので、戦略としてはキム・ヨナ的なものだろうと思った。その点、トリプル・アクセル2本という今の女子では誰もできないスポーツ的フィギュアとしては頂点を極めている浅田真央もこの採点方式では苦戦が予想されるが、何が起こるかわからないオリンピックでもあるので、活躍を期待したい。
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