鶴岡八幡宮の大イチョウ倒れたというニュースに驚愕
asahi.comのニュースによると、
2010年3月10日10時13分 神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮で10日未明、境内にある大イチョウが倒れた。同市が原因を調べているが、同八幡宮によると、強風で倒れたとみられるという。 大イチョウは樹齢1千年余りとされ、高さ約30メートル、周囲6.8メートル。鎌倉幕府三代将軍の源実朝を暗殺した公暁(くぎょう)が、この木の陰に隠れたという伝説から「隠れ銀杏(いちょう)」とも呼ばれ、大仏と並ぶ同市のシンボルだった。1955年に県の天然記念物に指定されている。 同八幡宮によると、10日午前4時15分ごろ、5分おきに「ドンドン」という音が鳴り、同40分に雷が落ちるような音がして警備員が駆けつけたところ、大イチョウが倒れていたという。境内は開門前で参拝者はおらず、人への被害はなかったという。
写真:根元から倒れた大イチョウと、おはらいをするために大石段を下りる神職=10日午前8時2分、神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目の鶴岡八幡宮、 山元一郎撮影
写真:倒れた大イチョウの根元の直径を測る消防署員=10日午前7時49分、神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目の鶴岡八幡宮、山元一郎撮影
また、毎日新聞(3月10日11時35分配信 毎日新聞)によると
八幡宮によると、大銀杏は幹回り6.8メートル、高さ約30メートルで樹齢は1000年とされる。午前4時15分ごろ、当直の警備員が3回ほど「ドンド ン」という音を聞いた。警備員は「積もった雪が落ちる音だと思った」という。その後、落雷のような音がしたため、様子を見に行くと大銀杏が倒れていた。市 消防本部によると、当時の最大瞬間風速は12メートルだった。
大銀杏をみた東京農業大の浜野周泰教授(造園樹木学)は、2月以降の雨で地盤が緩んでいたことに加え、9日夕からの強風が原因と指摘。雪まじりの風は、 通常の数倍の力がかかるとされ、傾きを支えられずに折れたとみられる。石段脇の土壌が薄い斜面に立っていたことも影響したらしい。浜野教授は「根元の状態 から回復は不可能」とのコメントを出した。
八幡宮では09年末から保全に向けた検討を始め、浜野教授が診断したが、生育に問題はなかった。
とのことで、回復は難しいようだ。
2年前のちょうど今頃鶴岡八幡宮を拝観したのを思い出した。そのときの記事がこれだが、この記事には、春を迎えこれから葉を茂らせようとしている大イチョウが枝を天に向かって伸ばしている姿が写っている。
大変驚いた。
台風の強風にも1000年間も耐えてきたのに、毎日新聞で書かれているように、昨夜の重たいみぞれ混じりの雪が強風で生い茂った枝に付着するなどしたところに、さらに突風にあおられて相当な力が加わったのではないだろうか?
倒れたイチョウを早速紹介してくれているブログ(いにしえの情景)。
縄文杉は近年有名になってはいるが誰もが見られる木ではなく、この八幡宮の大公孫樹は恐らく日本で最も有名な木ではなかったろうか?樹齢800年とも1000年とも言われ、鉄道唱歌にも
7. 八幡宮の石段に 立てる一木(ひとき)の大鴨脚樹(おおいちょう) 別当(べっとう)公暁(くぎょう)のかくれしと 歴史にあるは此陰(このかげ)よ
とある程。私が中学の修学旅行で見ただけではなく、父母も若い頃見たものだったはずだ。祖父母も見たことがあったかもしれない。少なくとも数百年の星霜を見続けてきて、いつまでも立ち続け、葉を茂らせてくれていた、いわば心のふるさとのような木だった。
残念だ。
昨夕の民放のニュースで、気象予報士が「明日は積雪はないでしょう。東京都心は、ですね。」と伝えていたのを、「このニュースは少なくても関東1都6県の住民は見ているので、そういう東京中心主義的な言い方はまずいんじゃないの、現にここでも積もり始めているし、NHKの関東地方向けの天気予報では盛んに積雪注意といっていたよ」と話したのを思い出した。ただ、どうも日本の気象庁、気象協会は、台風以外の低気圧については警戒が緩いようで、別に天気予報はそれを予報し伝えるだけなので責任があるというわけではないが、このイチョウの倒木のように雪交じりの強風で各地で被害が出ているのだから、もっと真剣味をもって天気を予報し、伝えてほしいものだと思った。実際、台風以外の低気圧で予想外の被害が起きているケースは結構多いように思う。
湘南は強風と激しいみぞれ。吹きだまりは白くなってます。わが家の被害、ベランダの日よけ倒壊(台風の時も平気 だったのに)。&傘一本全壊して飛んでった。明朝どうなっているやら。 約15時間前 via web
「みぞれ 強風 被害」で検索したらヒットしたもの。湘南地方の3月9日夜のつぶやき。台風にも耐えた「日よけ」が倒壊とのことで、やはり相当の力 が加わったもののようだ。学生時代に、湿雪が高圧の送電線にくっついて送電線が切断され、東北地方の広域が停電になったことがあった。滅多にあることではないが、気象予報士には少なくとも湿雪の注意喚起などが求められる。
樹齢について 日本の巨樹・巨木より 鶴岡八幡宮の大イチョウ
« 時ならぬ春の雪 | トップページ | フランス系の交響曲を聴く(その1) マニャール 交響曲第3番 アンセルメ/スイス・ロマンド管 »
「ニュース」カテゴリの記事
- ピリオド演奏の先達の一人、ホグウッドが亡くなった(2014.09.28)
- 二つのニュース(2014.08.05)
- 山中大地選手お疲れ様(2014.02.13)
- ソチオリンピック 代表選出 おめでとう 山中大地選手(2013.12.29)
- 手持ち可能な楽器(職業用)のEU持ち込み等の規則が改正されたらしい(2013.11.14)
「自然・環境・生物・宇宙」カテゴリの記事
- 謹んで新年のお慶びを申し上げます(2017.01.01)
- ジョージ・R・R・マーティン「氷と炎の歌」シリーズ(2015.09.25)
- 丸山コーヒーと中秋の名月(2015.09.27)
- 紅梅が開花していた。ソチ五輪間近。(2014.01.31)
- 遺伝にとって画期的な研究のように感じた(2013.12.04)
「歴史」カテゴリの記事
- ジョージ・R・R・マーティン「氷と炎の歌」シリーズ(2015.09.25)
- Rafael Kubelik The Symphony Edtion 23CDs(2014.07.27)
- テレビドラマ「みをつくし料理帖」と原作(2014.07.21)
- 堀越二郎著「零戦 その誕生と栄光の記録」(角川文庫)(2013.10.03)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 鶴岡八幡宮の大イチョウ倒れたというニュースに驚愕:
» 巫女が黙々と破魔矢作り 正月控えて鶴岡八幡宮で追い込み [ローカルニュースの旅]
鶴岡八幡宮で正月の縁起物の破魔矢作りが追い込みに入っている。国産の竹や水鳥の羽根を使用し、今月中旬までに、大小合わせて24万5千本を製作する。 [続きを読む]
« 時ならぬ春の雪 | トップページ | フランス系の交響曲を聴く(その1) マニャール 交響曲第3番 アンセルメ/スイス・ロマンド管 »
コメント