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2011年3月12日 (土)

大地震

1978年の宮城県沖地震の直後から仙台で学生生活を始めたこともあり大地震の恐ろしさを下宿の先輩や大家さんから聞いていたのだが、その後私が仙台を離れてからも宮城県は何度か大地震の被害に遭っていた。今回、岩手、宮城、福島の大津波の被害が特に大きく、被災された方々には慎んでお見舞いを申し上げたい。テレビで見る惨状は、映画のようなフィクションのようで、ちょうど2001年の同時多発テロの映像が、夢を見ているような現実感の無さだったのと同様に、まったく信じられないような様子だ。そして、今回は福島の浜通地方にある東京電力の福島第一、第二原発に放射能漏れの恐れがあり、地震国、原発国日本のリスクの大きさをひしひしと感じている。

足裏の痛みとふともも、ふくらはぎの筋肉痛が、この地震が決して夢ではないことも教えてくれている。

昨日の14時46分の地震の発生時は、事務所のビルを出て、他の事業所があるビルに向かう途中だった。会社の上司と世間話をしながらビル街を歩いていると、突然グラグラと足元がゆらいだので、最初はひどいめまいでいったい自分はどうしたのだろうと感じたのだが、直ぐに地面や周囲がゆれているのに気がついた。ビルからの落下物があるといけないので、揺れる中、上に気をつけながら揺れが収まるのを待ったが、本当に運良く落下物もなく、無事だった。

直ぐに携帯電話で事務所や家族に電話をしたのだが、繋がらない。事務所のビルに戻ってもエレベーターが止まっており、非常階段の様子もよく分からず戻れず、また事務所の人たちも外に避難してこないので、しばらく近くの広場で多くの避難者と一緒にいたが、再度大きな揺れが起きた。これが2回目の茨城県沖の地震だったようだ。20階建てのビルが大きく左右に揺れていて、このまま揺れが強まれば倒壊してしまうのではなかろうかと恐怖を感じた。

最寄の通勤電車は、駅間で緊急停車しており、復旧のめどが立たないということで、乗客は非常口から線路に下ろされて、線路上を駅に向かい歩いていた。ワンセグでテレビ放送を見ると、大津波注意報が発令されており、何と高さ10m以上とのことで、まさかとその時は思っていた。

1時間ほど外で過ごし、数十回リダイヤルしてようやく家族とも連絡がついて、みな無事だが家の周囲は停電で、マンションは断水とのこと。事務所に戻ったところ、鉄道は地下鉄も含めて全線不通となっていて、以前から言われていた帰宅難民にとうとうなってしまった。

以前ウォーキングに凝っていたときに帰宅時に自宅まで歩いて帰ったことがあったので、いちおう定時まで過ごし、徒歩で帰ることにした。タクシーはこれ以上ないというほどのタクシー待ちの列で、バスもどうやら運行停止のようだが待つ人が多い。事務所周辺の界隈は幸い停電していなかったので、牛丼やで夕食を摂り、ドラッグストアで懐中電灯と飲み物を調達して、冷たい北風が吹く約9kmの道を2時間ほどかけて歩き続けた。道路の交差点の信号機が停電で消えているところでは警察官が出て交通整理をしていたが、ちょうど帰宅時にあたるためかクルマは大渋滞を起こしていた。その渋滞は結局自宅の前まで続いており、クルマで迎えに来てもらわなくて正解だった。

自宅では、近所のコンビニが停電の中大奮闘で商品を売ってくれていたとのことで、弁当などを買ってあり、懐中電灯で灯りをとり、ラジオのニュースに耳を傾けていた。非常用のペットボトルの水と卓上コンロでお湯を沸かし、お茶を飲んで人心地つけた。

それでも10時過ぎに幸いにも電気が復旧したので、テレビで被害の大きさを見、風呂にも入ることができたが、地震の直前とその後では、世界は一変してしまったようである。

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コメント

お見舞い申し上げます。まだ、余震などもあるようですからご無事で。

早く日常生活が戻ると良いですね。

pfaelzerweinさん、コメントありがとうございます。お見舞いありがとうございます。

関東でも昨夜来もう10回以上余震を体感しています。東北地方のあまりの被害の大きさにまったく夢現のような状況です。

それに続いて、懸念されていた福島原発のうち一号原発でとうとうメルトダウンが発生したということをNHKのニュースがあっさりと認めました。枝野官房長官の記者会見も、保安院の会見も、その時点で分かっていたはずなのに、発表せず、その後正式の発表も無いまま、半径10km圏内の避難指示が出て、その後メルトダウンという重大事実をニュース原稿としてあっさりと公表したように思えました。放射能物質から身を守るには今のところ室内で外気になるべく触れないようにするしかないのですが、備蓄があるわけでもなく、この先どうなるのか非常に不安です。

先ほど、首相官邸からの菅総理の談話と枝野官房長官と記者会見があり、メルトダウンではなく、水素爆発で外壁上部が壊れただけで、格納容器と圧力容器はまだ無事。これから海水を注入し、ホウ素を用いて原子炉をコントロール下におくということが発表されました。また放射線量も、爆発の前後では数値が大幅に下がっており、放射性物質が拡散したという事実は無いとの発表でした。この対策が早く実ることを祈るばかりです。この発表が真実であるとの確証はありませんが、暗雲のかなたに少し望みが見えたように思います。
6時ごろの官房長官発表、保安院の記者会見の時に、あれほどの情報隠しのようなあいまいな会見だったのから大幅な転換で、それゆえ疑心暗鬼になりそうですし、また、テレビ各局のコメンテーターとして登場する原子炉の専門家(東大、東工大教授など)のコメントも楽観的、悲観的とあまりに対照的なものが入り混じり、頼りにならないのも輪を掛けています。

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