吉田修一『平成猿蟹合戦図』
話題になった同じ作家の『悪人』は読んでいないが、今回も妻が図書館から借りてきたのを借りて読んだ。
登場人物が多く、場面転換の多い作品で、一応「神の視点」から叙述されているが、少々読みにくい書き方だった。映画化を前提としているのだろうか?
タイトルがおとぎ話からのインスパイアだと告げている通り、現代の政治的な御伽噺だった。
最後まで、結末が読めず、そういう点では、サスペンス的な読ませる力はあった。
週刊誌連載だったようで、こういう書き方がそれに対応した現代作家の手法なのだろうが、一度読むと「ネタバレ」となってしまい、二度三度読みたいという興味を失わせる傾向があるようだ。
方言によるモノローグ(文字のフォントを変えてある)は、面白い試みだと思った。
追記:そういえば、世界的なチェリスト(実在ではない)が登場するのだった。
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