ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ EMI録音集(11CD)
先日亡くなったディートリヒ・フィッシャー=ディースカウのEMIへの録音の集成が発売されているのを知り、購入した。 http://www.hmv.co.jp/news/article/1112060056/
フルトヴェングラーやカラヤンもそうだったが、このディースカウの場合も、第二次大戦後の50年代は戦勝国のイギリスのレコード会社であるEMIに録音し、(フルトヴェングラーは晩年までEMI所属だったようだが)、その後次第に、西ドイツのレコード会社DGGに録音するようになったというところが共通しているようだ。相変わらず余計な余談だが。
この録音は、1950年代から新しい方は1970年代のもので、ディースカウの全盛期の声が収められている。
シューベルトは、三大歌曲集のほか「鱒」「魔王」「死と乙女」「野ばら」なども収録されている。フォルテの音エネルギーの強い部分では、クリップするのが惜しく、名伴奏ピアニストのムーアのいかにも伴奏のイメージに合った伴奏が今となれば少々物足りなくもあるが、主要な歌曲がこのセットで聴けるのは便利だ。
その他シューマン、ブラームス、マーラー、R.シュトラウスも含まれており、これまであまり聞く機会がなかったヴォルフが1枚に収録されている。メンデルスゾーン、ヴァーグナー、珍しいレーヴェやリスト、コルネリウスなども含まれているのもうれしい。
このセットで、久しぶりに『美しい水車屋の娘』を聴いた。素朴な風合いの歌曲だが、第8曲 朝の挨拶 Morgengruß や第10曲 涙の雨 Tränenregen など、若い頃に聴き、歌った歌が懐かしかった。
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