スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』
最近映画化されて名前を知った小説。図書館で借りた。『ミレニアム』3部作の第1作目で、原題は「女を憎む男たち」というものらしい。
児童文学では、「長靴下のピッピ」のリンドグレーンや、『ニルスの不思議な旅』のセルマ・ラーゲルレーヴが知られるスウェーデンだが、この作品は現代のスウェーデンで2005年に出版されてベストセラーとなり、続いて各国語に翻訳されて世界的なベストセラーとなったものという。日本語版は2008年初版となっている。
原題にもあるように、テーマは非常に深刻な内容で、ともすれば猟奇的とも言いうる犯罪を扱っているため、このような題材が苦手な人には薦められない。
作中の登場人物が「ジェットコースターに乗っているようだ」と語る通り、まさにジェットコースター小説ともいうべきストーリー展開で、推理小説、探偵小説の要素も強い。
いわゆるキャラが立った主人公達が活躍するので、確かに面白いのだが、最終的に主人公達が追いつめる「悪の側」の描写が少し不足しているように感じた。
追記:日本語訳は、こなれたもので、翻訳調の読みにくさは、まったくといっていいほどなかった。すでに文庫本も発売されていて、平積みになっていた。
« 大学オーケストラの定期演奏会を聴いてきた | トップページ | バーンスタイン マーラー交響曲全集(大地の歌含まず) 旧盤 2009年リマスタ »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「コンサートは始まる」を20数年ぶりに再読(2015.10.01)
- 小学館 モーツァルト全集のCDを夏の帰省時に持ち帰った(2014.09.02)
- 天の梯(そらのかけはし) みをつくし料理帖⑩(2014.08.11)
- テレビドラマ「みをつくし料理帖」と原作(2014.07.21)
- 村上龍「歌うくじら」 (講談社文庫の新聞広告を見て)(2013.10.19)
« 大学オーケストラの定期演奏会を聴いてきた | トップページ | バーンスタイン マーラー交響曲全集(大地の歌含まず) 旧盤 2009年リマスタ »
コメント