スヴェトラーノフの芸術 20枚組ボックス (マンフレッド交響曲をきっかけとして)
長男の誕生日プレゼントのために彼がほしいと言っていたチャイコフスキーのマンフレッド交響曲を探していて、スヴェトラーノフの日本でのライヴ録音が目についたので買おうと思い注文した。
http://www.hmv.co.jp/news/article/1205240027/
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5066302
ところが、その後、同じスヴェトラーノフのニュースで
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3907812
http://www.hmv.co.jp/news/article/1206120065/
を見つけたので、前の注文がまだ発売前だったこともあり取り消して、こちらにした。
ものすごいボリュームだ。20枚組。
(発売日 : 2010年09月23日 オンライン会員特価(税込) : ¥7,490)
念願の「マンフレッド交響曲」のほかに、交響曲第1番、第2番。エルガーの第2番などが含まれていて相当満悦のようだった。
スヴェトラーノフの録音は、これまで例の爆演とされるレスピーギのローマ三部作以外ほとんどディスクで聴いたことがなかったまとめて聴くことができることになり、いろいろなものが含まれているので、少しずつ聴き始めた。
ブラームスの交響曲が第1番から第4番まで収録されていたので、興味がそそられて聞いてみた。一般的なイメージでは、スヴェトラーノフは、猛烈な表現をする指揮者として知られており、ドイツものの評判を聞いたことなどなく、さてどんな演奏だろうかという好奇心から聴いてみた。意外だが、このブラームスは悪くない。否、それどころか、テンポ設定や動かし方はザッハリヒだが、響きや強弱表現が濃厚にロマンティックであり、聴きごたえがある。弦楽器が身を乗り出すようにして濃厚に歌い上げる部分など、心ならずもジーンと来てしまい、実は精緻で禁欲的な演奏よりも、このような浪花節的で熱気をはらむ演奏が、今の自分のツボにはまるのかも知れないなどと思ってしまった。ただ、濃厚なだけではなく、よく訓練された弦楽器群がしっかりと付随的な楽想も演奏していたりして、緻密な部分でも楽しめる。いうなれば、ほどよいロマンティシズムというものだろうか。ソ連時代の演奏は、つい色眼鏡で見がち(聞きがち)だが、そのような偏見を持つのは損だということを教えてくれる好演だった。
チャイコフスキーでは、これまで馴染みのなかった第1番から第3番、マンフレッド交響曲は、聴き慣れれば結構楽しめる。マンフレッドの第3楽章は、短いフレーズの共通点だが、ビートルズの「ノルウェイの森」によく似たメロディーが印象的なものだった。第5番は、ジョン・デンバーの「緑の風のアニー」に似ているし、さすがメロディスト チャイコフスキーということだろうか!
参考:スヴェトラーノフのページ http://www.svetlanov.net/
http://homepage3.nifty.com/utagi-jetter/starthp/subpage06.html
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