シューリヒトとヴィーンフィルの ブルックナー 交響曲第8番
先のHybrid SACDの廉価盤でシューリヒト指揮のヴィーンフィルによる交響曲第8番と第9番を購入した。ブルックナーのステレオ録音としては相当初期のもので、長く聞き継がれていて、名盤ガイドなどではよく目にしたのだが、これまで聴く機会が無かった。
シューリヒトと言えば、これまでこのブログの記事で取り上げたブルックナーの5番と7番の録音しか音盤の手持ちがない。クリュイタンス/BPOと同時期に、パリ音楽院管を指揮して入れたベートーヴェンの交響曲全集も有名だが、こちらも聞いたことがないほど、自分にとって縁が薄い大指揮者だ。
2005年9月26日 (月) シューリヒト ブルックナー第7番
これらの記事音盤にしても特にヴィーンフィルとの第5番は、結構著名な録音らしい。7番はシュツットガルトとのライヴ録音。
シューリヒトはブルックナーの録音しか知らないのでその印象しか言えないのだが、その音楽には、ブルックナーのぶっきら棒、とっつきにくさと同じような感触があるように感じる。
シューリヒトの録音と聞き比べた第5番のティントナーにしても、第7番のブロムシュテットやジュリーニにしても、同じ作品の演奏ながらもっと人懐っこさを感じさせるのだが、シューリヒトの場合には直情径行的な表情で、取りつきにくさ、近寄り難さを感じる。これをプラスに解するならば、品格の高さ、孤高の気高さのような印象を与えてくれるともいえる。それに頑固一徹居士とは違い、第5番の第2楽章の質朴でありながら清澄な旋律の歌わせ方はただの無愛想なとりつくしまの無いようなものとも違う。(久々に聞き直していたら、第2楽章に第8番の旋律が引用されている箇所があった。第2楽章の10:00あたりの部分。)
クレンペラーも同系統のスタイルのようにも思えるかも知れないけれど、シューリヒトに比べるとクレンペラーの方がより洒落っ気があり精緻ではなかろうか。
第8番は、ブルックナーの中でも取り分け荘厳な交響曲だと思う。この曲もそれほど聞いたことがあるわけでなく、ヨッフムのシュターツカペレ・ドレスデン盤と、コンセルトヘボウとハイティンクのライヴが音源としてもっているだけ。ただ、この曲はスイトナー/NHK交響楽団の生演奏を聴く機会があって、この体験によってそれまで4番くらいしか聞いたことが無かったブルックナーに目覚めた思い出深い曲でもある。
ヨッフムの録音も名盤として知られるが、自分の好み的にはあまり得心のいくものではなかった。
このシューリヒトの8番は、初演を務めたヴィーンフィルとの録音であり、伝統的な要素を持った演奏なのだろう。
ブルックナーの交響曲は聴き込んだレコード,CDとしてはかろうじてLP時代からのベーム/VPOのものしかなく、他のほとんどのCDはながら聞きになってしまっているものが多いのだが、このシューリヒトの指揮の第8番はじっくりと付き合える演奏だと感じた。
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