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2012年9月23日 (日)

グレン・グールド コンプリート・バッハ・コレクション

Glenn Gould: The Complete Bach Collection

6月20日にHMVでたまたま見つけて、予約注文していたこのボックスセットだが、ようやく9月21日に配達された。

立派な布張りの箱入りで、ハードカバーの上質紙の解説書付(英語と独仏語)。CDとDVDがセット。

CDの方は、半分以上ばら売りで持っていたが、DVDは全く所有しておらず、さらにゴルトベルクのザルツブルクライヴとグールドのレコードデビュー前のCanadian Broadcasting Corporation( CBC カナダ放送) でのゴルトベルクの録音(音質はよくないが)も含まれていたのが購入の決めてだった。

ザルツブルクでのライヴを聴くと、コンサートでのグールドが本当にすごかったことが実感できる。スタジオ録音でのテープ切り貼りのマジックでは無かった。また、デビュー録音とは違う声部を浮き立たせていたりして、グールドの解釈の多様性と、その反面のつかみどころの無さが感じられた。

CBCへの録音は、青柳いづみこ氏のサイトに書いてあった記憶があるが、デビュー録音は、様々な解釈の可能性の中からの、選択だったことが理解できるような演奏だった。

一九五四年にCBCのラジオ放送用に録音した《ゴルトベルク》を聴くと、当時の彼が、バロック音楽です らロマンティックなアプローチで弾いていたことがわかる。  それから一年、伝説の五五年盤《ゴルトベルク》のレコーディングに際してグールドは、トスカニーニのように即物的に弾くことが流行していた五〇年代の趣味に合わせて、自分の演奏を刈り込み、浄化し、我々がよく知る形につくりあげた。  作戦は見事に成功し、グールドは一躍国際舞台に躍り出た。

DVDのモンサンジョンによるゴルトベルクは、最後のゴルトベルクと同じ時期の映像のはずだが、CDジャケットの疲れた表情のグールドとは異なり、生き生きとした表情と、素晴らしい指の魔術を見せてくれる映像で、以前Youtubeで部分的に見たことはあったが、通して視聴して感激を新たにした。

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