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2012年9月28日 (金)

アイルワースのモナ・リザがまた話題に

2013年9月23日からこの記事のアクセスが増えたので、確認したところ、今年も日テレが「アイルワースのモナリザ」を取り上げたのが分かった。かれこれ何回目だろうか?

2013年9月23日放送 19:00 - 21:54 日本テレビ  見破れ!!トリックハンター

最新!最強!トリック 禁断のタネあかしBEST10

ダ・ヴィンチが描いた“もう1枚のモナ・リザ”最有力候補はスイスのとある地下金庫にある。この作品はアイルワース版モナ・リザと呼ばれている。2004年にモナ・リザ財団によって最新科学でアイルワース版モナ・リザの鑑定が開始された。結果、キャンバスは1455年より前のもので、絵の具は16世紀初期のものと判明した。画材の年代が史実と一致したが、弟子が描いた可能性もある。そこで、2つのモナ・リザの構図の共通点を検証した。結果、構図が一致。さらに画家のクセを最新科学で鑑定する。絵から何億の点で統計をとり画家のクセが現れるコントラストを測定する方法。博士はこの方法でレンブラントの作品で成果を出した。

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2005年5月 3日 (火) ギャラリーフェイク完結など、「もう一枚のモナ・リザ」「アイルワースのモナ・リザ」「ラファエロの円柱」などについて興味を持ち、何度か記事にしたことがあったが、今日の朝のニュースでまた話題になっていることを知った。

詳しい記事は以下の通りだが、果たしてどのような結論になるのだろうか?

Wikipedia

我々素人でもわかるポイントは、レオナルドがほとんどつかわなかったカンバスに描かれていること、ラファエロの模写に描かれている「両側の円柱」が、ルーヴルの真作には見当たらないが、「アイルワース」にはしっかりと描かれていること、だろうか?

絵に描かれている女性は、確かに謎めいた微笑は無いけれど、艶かしく美しい。

「若かりしモナリザ」の肖像、ダビンチ作品との鑑定結果  2012年09月28日 15:55 発信地:ジュネーブ/スイス
(AFP配信)

【9月28日 AFP】(写真追加)イタリア・ルネサンス期の芸術家レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)が描いた世界で最も有名な絵画「モナリザ(Mona Lisa)」──その若かりし姿を描いたとされる肖像画「アイルワースのモナリザ(Isleworth Mona Lisa)」について、スイス・チューリッヒ(Zurich)のモナリザ財団(Mona Lisa Foundation)は27日、ダビンチの作品であるとの鑑定結果を発表した。

「アイルワースのモナリザ」は長らく個人コレクターのヘンリー・ピュリツァー(Henry Pulitzer)氏が所有していたが、同氏の死後40年以上、スイスの銀行の金庫に保管されていた。後の2008年に匿名の国際財団が、ピュリツァー氏の伴侶だった女性の遺産から購入し、モナリザ財団に鑑定を依頼していた。

「アイルワースのモナリザ」と「モナリザ」の顔は驚くほど似ているが、「アイルワース」のほうはモデルの年齢が明らかに若い。また背景の風景は下絵のままで、両脇には柱が描かれている。モナリザ財団によれば、こうした特徴は「未完のモナリザ」として歴史上登場する記述によく似ている上、ダビンチと同じイタリアの巨匠ラファエロ(Raphael)など他の画家が当時描いた「モナリザ」の模写やスケッチの特徴と一致しているという。  

モナリザ財団がジュネーブ(Geneva)で開いた記者会見は、報道陣やテレビカメラでいっぱいになった。鑑定結果を証言するために、同財団によって会場に集められた専門家たちは、「アイルワースのモナリザ」はダビンチが「モナリザ」の10年ほど前に描いた未完の作品だと述べた。

所有者の匿名財団を代表して出席した美術商のデビッド・フェルドマン(David Feldman)氏は推定価格を明かさず、個人に売却するよりも一般公開できる状態のほうがふさわしいとの見解を述べた。

■「謎めいた」表情に欠ける?との疑問も

一方、会見に出席しなかった専門家からは、「アイルワースのモナリザ」がダビンチの作品だとする鑑定結果に疑問を投げ掛ける声も出ている。


その1人、英オックスフォード大学(University of Oxford)の美術史家マーティン・ケンプ(Martin Kemp)氏は、女性の髪やベール、ドレスの透けた重なり、手の骨格など「モナリザ」が持つ細部の緻密な描写が「アイルワースのモナリザ」からは感じられないと指摘。また多くの模写作品同様、ダビンチの「モナリザ」の「謎めいた」表情を捉えていないと述べている。

こうした批判に対し、モナリザ財団側は作品を実際に間近で見てほしいと語っている。同財団は、「アイルワースのモナリザ」の鑑定結果を『Mona Lisa -- Leonardo's Earlier Version(ダビンチが描いた若きモナリザの肖像)』と題した320ページの書籍にまとめ発表している。(c)AFP/Nina Larson

“若き日のモナリザ”ダビンチ作に反論「よくできた複製品」

イタリアの画家レオナルド・ダビンチの代表作「モナリザ」とは別に「若き日のモナリザ」も存在した―。スイスのモナリザ財団は27日、ジュネーブで10歳ほど若いモデルを描いた「モナリザ」を公開、35年に及ぶ調査の結果「ダビンチの作品」と結論付けたと発表した。

 この作品は日本で今年6月まで開かれていた展覧会で、世界で初めて一般公開。この際、財団は「アイルワースのモナリザ」として調査結果を伝えずに展示したが、反響は大きかったという。

 これに対し、ダビンチの専門家として知られる英オックスフォード大のマーティン・ケンプ名誉教授は28日までに米ABCテレビなどに対し「よくできた複製品」との見方を示した。

 パリ・ルーブル美術館に展示している「モナリザ」より一回り大きい「若き日のモナリザ」。未完成品で、仕上げは別人とされるが、科学的な分析や専門家の解析から、ダビンチが描いたとほぼ断定できるという。

 しかし、ケンプ氏は英BBC放送や米CNNテレビ(電子版)に「信頼できる主要な証拠によれば『若き日のモナリザ』が存在すると考える根拠はない」(CNN)などと述べた。

 財団側は「他の説を排除はしない。われわれが集めた資料を提供してもいい」と主張。担当者は「いつの日かルーブル美術館で2枚並べて展示されれば最高だ」としている。(共同) [ 2012年9月28日 23:03 ] 

今回の件では全く触れられることはないようだが、昨年から今年にかけてアイルワース版は来日していて「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展で各地を巡回していた。本当にどういう経緯で「アイルワース版」も含まれたのだろうか?

静岡市美術館 2011年福岡市美術館 2011年-2012年東京渋谷Bunkamura 2012年

参考になるページ: 美術史が好き!アイルワース版モナリザ

レオナルド ダ ヴィンチの小部屋

2005年03月29日 『「モナ・リザ」は誤報!?日テレに抗議文』の考察 (以前もリンクさせてもらった記事。1990年発行の書籍に掲載されていることを指摘されている。)

なお、朝日新聞9/28夕刊にも「モナリザ 10年前も微笑 ダビンチ作と確認」(前川浩之)という記事が掲載されていた。「財団は一般公開を目指すという。」と締めくくられていたが、昨年から今年にかけての日本での巡回展は、一般公開ではなかったのだろうか?

ABCNews  Sep 27, 2012 3:58pm Second Mona Lisa Unveiled for First Time in 40 Years

It’s a mystery straight out of the da Vinci code. A famous portrait, hidden away in a Swiss bank vault for 40 years, with the potential to break open a mystery more than 500 years old. A second, earlier version of the Mona Lisa was unveiled to the public today,  a version that experts say they can prove is the work of the master himself.

Known as the Isleworth Mona Lisa, the painting was discovered shortly before World War I by English art collector Hugh Blaker, who purchased it from the noble family to which it had previously belonged. Blaker then moved the painting to his studio in Isleworth, England, giving it its iconic name.

During WWI, the painting was moved to America for safekeeping. The portrait eventually made its way back to Europe, where it was analyzed in Italy before being sent to the Swiss bank vault for safekeeping. Since that time, experts from the non-profit Mona Lisa Foundation have been working to prove or disprove the portrait’s authenticity

“When we do a very elementary mathematical test, we have discovered that all of the elements of the two bodies – the two people, the two sitters – are in exactly the same place,” art historian and foundation member Stanley Feldman told The Associated Press.

“It strikes us that in order for that to be so accurate, so meticulously exact, only the person who did one did the other. … It’s an extraordinary revelation in itself, and we think it’s valid.”

Such similarities aside, the two Mona Lisa’s have many notable differences, the Isleworth version is larger and features columns on either side of the figure, believed to be Lisa del Giocondo. The version that hangs in Paris’ Louve Museum is narrower and features no such columns.

The Isleworth painting was done on canvas, while the Louvre painting, which features a far more detailed background, was done on wood. The woman in the Isleworth version also appears younger than she does in the Louvre, leading to the theory that the portrait might have been painted earlier, consequently featuring a younger del Giocondo.

The foundation’s claims aside, many in the art and scientific community remain unconvinced.

“It’s a perfectly honest, well-made early copy,” Martin Kemp, an Oxford University professor and da Vinci expert, told ABC News today. “Pictures were copied [because] you couldn’t go to the Internet and order a reproduction. So if you wanted something like that ['the Mona Lisa'] and you couldn’t get a hold of a Leonardo, you would order a copy.”

With the debate still raging, it is difficult to reach a definite conclusion about the painting’s authenticity. So, until the foundation releases more evidence, it looks as though experts will be left to speculate about whether the Isleworth Mona Lisa is the work of the Renaissance man himself, or one very gifted Impressionist.

 

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