ライナー/シカゴ響 「ツァラトストラはこう語った」
あのバルトークが影響を受けた作品としても知られるリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトストラはこう語った」(ツァラトストラかく語りき)。
以前、手持ちの数種類のCDの聴き比べをアップしたことがあった。
このところ、テレビ放送での音楽鑑賞では、リヒャルト・シュトラウスを聴く機会が数回あった。「家庭交響曲」(2012年のデ・ワールト指揮のN響)と「アルプス交響曲」(2012年のハーディング指揮のサイトウキネンオーケストラ)。映像で見ると、膨大な管弦楽編成がよく分かる。キャッチーなライトモチーフの使用による描写と、豪放華麗なオーケストレーションだが、伝えられる内容が空虚だとは、よく言われることだ。
ハンガリー系の、ジョージ・セルやフリッツ・ライナーは、同時代の作曲家だったリヒャルト・シュトラウスを得意にした。セルは録音に慎重だったのか、審美眼(耳)が厳しかったのか、この「ツァラトストラ」「英雄の生涯」などの正規録音は無いようだが、ライナーは比較的多く録音している。
今回のLiving Stereo60 ボックスには、このほかに「英雄の生涯」「町人貴族」「ドン・キホーテ」「ドン・ファン」「家庭交響曲」「エレクトラ」と「サロメ」からの抜粋、「ばらの騎士」のワルツ(ライナー編)と結構沢山収録されている。
初期ステレオながら、あまり濁りがなく、広がり・プレゼンスにもあまり不自然さがなく、明晰な音で収録、リマスタリングされているので、聞きやすい。
冒頭のオルガンのピッチとオーケストラのピッチがぴったり合っていないように聞こえるのが気になるくらいで、上記の聴き比べのどのCDにも増して、この演奏に感銘を受けた。1950年末のアメリカの録音は、個人的にはセルを除いて、少々色眼鏡で見がちで、つい本場ヨーロッパ志向が強くなりがちなのだが、この60枚セットを聴き進めると、当時すでにこれだけ高度な演奏、録音が達成されていたのか!との感慨を禁じ得ない。
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