春の鎌倉ハイキング
この春に、久しぶりに鎌倉を訪れた。花見の時期だったので、段葛の桜を愛でようかということになった。
江ノ島電鉄に乗りたいという子ども達のリクエストで、藤沢まで東海道線で出てから、江ノ島駅まで乗車した。いつもながら休日の混雑は凄かった。
これまで何度も行った江の島側ではなく、初めて竜口寺を参拝した。ここは、日蓮が元寇の時の幕府批判によって、鎌倉幕府から斬首の刑に処せられそうになったが、落雷?によって刑を免れたことで知られるお寺で、五重塔や仏舎利塔が遠くから眺められたのだが、初めてお参りしてみた。
どうせなら、腰越のこの辺りを散策してみようということになり、江ノ電モナカを買ったり、腰越名物のシラス丼をお昼に食べたり、腰越状で知られる義経、弁慶ゆかりのお寺万福寺を訪ね、腰越神社に参詣したりした。
ここから、腰越駅まで戻るのも電車の混雑もおっくうなので、そのまま江ノ電と海に挟まれた国道を延々と歩いてみることにした。渋滞の名所だが、意外に道路は空いていた。よくドラマのロケなどに使われる鎌倉高校前までは比較的簡単に歩けたが、そこからが結構遠かった。それでも、腰越・鎌倉高校前・七里ヶ浜・稲村ケ崎駅まで江ノ島駅からだと四駅分を歩いたことになる。稲村ケ崎駅から江ノ電に乗り、極楽寺駅、長谷駅を経由して、鎌倉文学館を訪ねるため、由比ヶ浜駅で下車した。
文学館を訪れるのも初めてだった。鎌倉を舞台にした三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズが大ヒットし、さらにテレビドラマに取り上げられて話題になったことがきっかけらしく、鎌倉・神奈川ゆかりのミステリー小説の特別展(鎌倉文人録シリーズ7「ミステリー作家翻訳家」)が開かれていたのだが、その中に、澁澤龍彦は没後25周年特集展示で紹介されていた。サドの翻訳などで知られ耽美・倒錯的な作家というイメージではあったが、そういえば晩年の作「 高丘親王航海記」を読みたいと思いつつ、読んでいなかったのを思い出した。また、何でもこの洋館は、このころ放送された「カラマーゾフの兄弟」の舞台にも使われたと妻が言っていたが、由緒ある歴史を持つ洋館のようだった。
鎌倉文学館を見学してから、バスで鎌倉駅前まで行き、そこから段葛の花見をしながら、久しぶりに鶴岡八幡宮に詣でた。
数年前に倒れた大銀杏の切り株からは、ひこばえが生え始めていたが、舞殿からみる石段と神社の遠景は相当印象が変わっていた。
2008年3月の大銀杏のありし日の姿
参詣した後、以前鎌倉を訪ねた父母が歩いて廻ったという北鎌倉方面へ、やはり歩いて行ってみることにした。八幡宮の裏山に当たるのだが、歩道はあまり広くない。それでも北鎌倉方面から歩いて来る行楽客は結構多く、すれ違いに難儀することもあった。
初めてみる建長寺の山門は巨大だったが、時間もあまりなく門前で記念撮影をしてから、円覚寺方面に向けて歩き、しばらく小道を行くと北鎌倉駅にたどり着いた。
ビブリア書店が設定上あるはずの北鎌倉駅前の小道は、現実の風景の中では円覚寺側にしか道路が無いため、小説の舞台設定と現実には少し齟齬があるように思えたが、どうなのだろうか?
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