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2013年9月15日 (日)

再生音の「ビリつき」というもの 

台風18号による朝8時から9時頃の豪雨は、午後にはひと段落したが、凄いものだった。坂の多い町なので、丘に降った雨が道路に流れ出るときには滝のようだった。この雨が続けば、土砂災害もありうるな、と思うほどだった。明日12時頃、浜松付近に上陸する恐れがあり、明日は荒れ模様になりそうだ。

ビリつき OR 音割れ OR クリッピング site:kniitsu.cocolog-nifty.com/zauberで自分のブログを検索すると相当ヒットする。私は、ずっと「ビリつき」という言葉を使ってきたが、「音割れ」や 「クリッピング」とも言うことがあるようだ。

同じ雑音でも、古いSPレコードの復刻の針音等の定常的なスクラッチノイズは、あまり気にならないのだが、音量ピーク時の「飽和」というか、上記の「ビリつき」、「音割れ」や 「クリッピング」には耐性が無い。定常的なノイズは、耳(脳)が無意識に、補正してくれるのだろうが、「ビリつき」はだめだ。ピアノやピアニシモの弱音領域では満足のいく音質なのが、音量的なピークだけ歪むというのは、それ以外の部分が素晴らしい場合には、余計その落差が辛くなってしまうのだろうと思う。そのため、気に入った演奏でも、ビリつき故に敬遠している音盤が結構ある。

先日来、これまでの音源コレクションを再生音が伸びやかなfoobar2000で聴きなおすのが楽しみになっていて、たままた以前「ビリつき」が気になった音源を、比較試聴の際に聴いてみたところ、これが意外なことに前には「詰まった」ように歪んでいた部分が、それほど気にならなくなって、私基準の実用的なリスニングには問題ないように聞こえたものがあった。それは、うれしいことに、オイストラフとセルのブラームスのヴァイオリン協奏曲!

そこで、いくつか再度聴きなおしてみた。

以前、臆面もなく挙げたのが以下の記事群。

"以前音質的に不満だった音源を聴きなおしてみて" site:kniitsu.cocolog-nifty.com/zauber


この内、特にひどくて落胆したのが、2012年3月 7日 (水) 以前音質的に不満だった音源を聴きなおしてみて(5) アンサンブル、声楽編

◎合唱:ロジェ・ワーグナー合唱団 (EMI)

「黒人霊歌集」 以前持っていて、知人に貸してそのままになったCDでは、録音の飽和やレベル設定のミスによるようなビリつきはまったく気にならな かったのだが、今回購入した同じ(?)CDではそのビリつきがひどく感じられた。DAPに取り込んでもビリつきは残っていて少々聴くのがつらい。

だった。

外付けHDDに収録してある mp3 で、 サンプルレート 44.1kHz, ビットレート 192kbps は変わらないのだが、foobar2000 で聴くと、コーラスの残響がたっぷりしすぎているためか、少し濁りは感じるものの、ピークになっても、「音割れ」で聴くに堪えないというほどではなくなっていた。

ただ、「音割れ」の程度は、ステレオヘッドフォン(イアフォン)によっても多少異なる。カナル型の少し高価なイアフォンの方が、オープン型の廉価なイアフォンよりも多少「ビリつ」いたりする。また、比較的高価なステレオヘッドフォンは、音質がまろやかにはなり聴き疲れはしないが、ピーク時の「ビリつき」は、イアフォンよりも残る。

さらにピアノの音色についても反省を促された。

2012年3月 4日 (日) 以前音質的に不満だった音源を聴きなおしてみて(4) ピアノ編

今回、黒人霊歌の残響の豊かさを聴き、その残響の飽和のようなものが「ビリつき」の一因だということに気が付いたが、これまで感じていたデッカレーベルのピアノ録音の「にじみ」は、もしかしたら直接音ではない音(間接音)の響き、つまり、反響、残響を豊かに取り入れたためなのかと思いいたった。それほど、ラローチャの「謝肉祭」のピアノは豊麗に鳴り響く。これまで相当文句を付けてきたアシュケナージの録音も同じ性格の音なので、、DAPの時にもそう思ったのだが、もう一度聴きなおすべきだろう。

また、

2006年3月10日 (金) セル/クリーヴランド管弦楽団によるシューベルトの大ハ長調

だが、あれほど悩んでいたビリつきが気にならずに鑑賞できるようになった!

ドヴォルザークのピアノ協奏曲(EMI) リヒテル(p), C.クライバー/シュターツ・カペレ・バイエルン も、「ビリつき」が気になった音盤だったが、聴きなおすと、そうでもない。

全体的に、foobar2000での再生に感じる、風通しのよい感じ、ヌケがよい感じのような何かの特性が、これまでビリつきが気になった音源に何らかの影響を与えているのだろうか?

これらを考え合わせると、同じ音盤を聴いていても、このようなクリティカルな部分で、オーディオ環境によって音質の良しあしの判断には相当違いがあるのだろうし、音色という基本的でもあり根源的なものの評価は、改めて難しいものであると、感じた。

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