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2015年10月の2件の記事

2015年10月 3日 (土)

セキュリティソフトの自動更新と手動更新

2011年9月 7日 (水) PCセキュリティソフトのランニングコスト で、3年契約のコストパフォーマンスに優れたセキュリティソフトのインストールができたのだが、更新時期の2014年にはうっかり自動更新の設定のままだったらしく、今度は1年契約の割高なものになってしまっていた。

そこで、2015年には自動更新設定をはずしておいたところ、しばらくPCを使わないでいるうちに、契約期限が過ぎてしまっていた。

そこで、前回の記事を参考に改めて、新規ソフトの導入を考えた。(登録した情報はかつてのものがそのまま存続してはいるのだが。)

マカフィーというセキュリティソフト企業の販売(ライセンス)形態は、少々わかりにくく、インストールしたソフトからつながるサイトは、

http://home.mcafee.com/

で、以下の個人のお客様向けの割引情報は出ていない。

マカフィーで検索して表示される個人のお客様向けサイトは

http://www.mcafee.com/japan/home/

で、こちらに最新ソフトの3年間、インストール台数無制限のとてもお得な情報が表示されている。

前者では、最新の最上位ソフトであるマカフィーリブセーフが1年契約で6,566円(20%割引)だが、後者では期間限定で9/3から10/15の間だけらしいが、

マカフィー リブセーフ™- 3年間加入料
マカフィー リブセーフ™ サービスを使用すると、ご使用のすべてのデバイス、データ、個人情報を保護できます。 ショッピング、バンキング、検索、共有を安心して行うことができます。
定価 ¥15,408 から ¥4,623 割引 ¥10,785

で、1年あたりではほぼ半額となる。

これは結構お得感があり、タブレットPCやスマートフォンにも適用できる。

3年契約のデメリットは、3年間同じソフトを使い続けることになるので、最新の性能が向上してソフトが登場しても切り替えるという選択肢が減ることになるくらいか。もちろんウィルス対策データは自動更新されるし、ソフトウェア自体も自動アップデートされるのだが。

今回のソフトは、脆弱性スキャナという機能が追加され、ブラウザやiTunesなどパッチがあたっていないものを管理し、自動アラームを挙げてくれるという結構便利なものが追加されている。

この時期にこのようなキャンペーンを行うのは、米国などの学校の新学期の開始に合わせたものだろうか?その意味で日本向けにカスタマイズされていないのかもしれない。

2015年10月 1日 (木)

「コンサートは始まる」を20数年ぶりに再読

ボストン響の音楽監督の交代についてのブログ記事を拝見し、その流れでボストン響のWikipedia英語版を眺めていて、たまたま小澤征爾、ボストン交響楽団の項目が目に入った。英語版の記事の筆者は、他の音楽監督時代に比べて、ボストン響の小澤時代に対して相当手厳しい筆致で詳細に描写しており、改めて驚いた。

英語版 Boston Symphony Orchestra

Ozawa's tenure involved significant dissension and controversy.

A more basic concern involved perceived shortcomings in Ozawa's musical leadership; as Sandow wrote in the 1998 article, "what mattered far more was how badly the BSO plays."  He noted that a group of Boston Symphony musicians had privately published a newsletter, Counterpoint, expressing their concerns; in the summer of 1995 concertmaster Malcolm Lowe and principal cellist Jules Eskin wrote that in rehearsal Ozawa gave no "specific leadership in matters of tempo and rhythm," no "expression of care about sound quality," and no "distinctly-conveyed conception of the character of each piece the BSO plays."

英語版 Seiji Ozawa

Ozawa caused controversy in 1996/97 with sudden demands for change at the Tanglewood Music Center, which caused Gilbert Kalish and Leon Fleisher to resign in protest. A controversy subsequently developed over various perceptions of the quality of Ozawa's work with the BSO.

この手厳しい書き方に触発され、今から20年以上前に発刊された頃に図書館か何かで借りて一度読み、その後数年前にBookOffで目に留まり購入して積読(つんどく)にしておいた

コンサートは始まる―小澤征爾とボストン交響楽団  1989/12/1 カール A.ヴィーゲランド (著), 木村 博江 (翻訳)

が思い浮かび、再読した。1990年頃というのは、自分にとってつい最近のように考えてしまうが、省みればもう25年も前、ふた昔以上も前のことなので、改めて時の流れの速さに戸惑った。

1990年頃に読んだ時には、この本の縦筋の主題であるマーラーの「復活」についてもそれほど聴き込んでいなかった。それに、今回の再読時にも感じたが、多分英語の原著の未整理で気取った調子をそのまま日本語に翻訳しただろうと思われる訳文も、主張と理由の前後関係が曖昧だったり、時系列がすんなりと頭に入ってこなかったり、さらに音楽経験者の原著・訳書というのにトランペットのC管とF管の音程差が、三度関係と書かれているのも四度の間違いではないかと思ったりで、細かいところはいろいろ気にはなった。初読の頃にはこれらが邪魔になりあまり頭にすんなりと入ってこなかった。

このように読む側の知識不足や、原文・訳文の未整理、さらに小澤征爾がどちらかというとヒールとして描かれている部分が気になり、読み終えてからも、隔靴掻痒で、理解が追い付かないような印象が残っていて、爽快感がなく相当フラストレーションが溜まる本だったので、購入後に再読する気が起きなかったのだった。(そういう意味では、私は小澤征爾氏の「成功ストーリーのファン」ではある。)

その後、時折背表紙が目に入ったときなど、この本の内容を思い浮かべるときは、小澤征爾とトランペット奏者の対立関係が第三者的にも不愉快なものだったことくらいだった。読んでから入手して聴いたマーラーの第1、4番もそのトランペット奏者らが参加しているのだろうが、不愉快な人間関係でストレスを抱えながら演奏する指揮者と楽団員の不幸な関係をどうしても想起してしまったことも思い出す。小澤とボストンのマーラーは、その印象も多少影響しているのだろうが、あまり愛聴しているとは言えない。(1番4番

ただ、今回読んでみると、ボストン時代と、ウィーン国立歌劇場時代を過ぎ、さらにサイトウキネンフェスティバルが2015年にセイジ・オザワフェスティバルに名前を変えた今日からの視点でみると、さもありなんという感じになるから不思議だ。

それでも小澤征爾の業績を振り返ったときには、このノンフィクションの記載は相当重要であろうとは思ったりもする。

今回改めて読んでみて思ったのは、アメリカのオーケストラの「労働組合」の時間制限というものの、芸術的な意味での非効率さというものは凄まじいものだということだった。

小澤より一二世代前のトスカニーニ、クーセヴィツキー、ライナー、セル、オーマンディらの暴君的・専制君主的な圧政への反省が、そのようなシステムをもたらしたのだろうし、日本における日教組が唱えた「教師=労働者」と、「教師=聖職者」論の対立の構図と似通ったところがあるのだろうが、工場労働者が「製品」を作り上げるのとは違い、再現芸術としての音楽を創造しさらにまた人間を教え育てるというような「人間的な」任務・仕事に対してマルクス的な疎外された労働者像を押し付ける見方の間違いや非親和性、限界を感じる。

むろん、演奏力、創造力、教育力などのの能力には大きな差があり、それをオーケストラや学校という集団作業で行う時の軋轢によって、個々の奏者や教師、生徒に平等ではない軋轢が生じ、プレッシャーがかかることは避けられないが、それを「労働時間」として規制するという考えた方にそもそも矛盾がある。基本的人権たる部分は尊重され保護されながらも、突き詰めた仕事・任務というものがもたらす価値のようなものが見逃されがちとなるからだ。

オーケストラ奏者(いわゆる正規組合員)への手厚い保護の一方で、意外なのは同じ音楽に奉仕しながら、合唱団はアマチュア、ヴォランティアとして無償で参加するという習慣(これは、先日聴いた東京交響楽団の「復活」でも同じだった。)、いわゆる労働界においても、正規、非正規労働者の間の差別のような側面の要素もあるのではなかろうか。ただ、ヴォランティア合唱団の方が、音楽的訓練や能力は低くとも、献身性の点では価値があるようにも思ったりもする。(器楽と歌、特にコーラスの地位の差。)それが音楽的な実質とどうつながるかが難しいところだが。

この本は必ずしも「小澤批判本」ではないが、それまで順風満帆だと伝えられていた小澤ボストンの関係が必ずしもそうではなかったことを日本に伝え、衝撃を与えたものではあるだろう。このような人間臭い毀誉褒貶は、「出る杭は打たれる」という諺が洋の東西で変わらないものだということの再確認でもある。(バーンスタインの暴露的な伝記もヒドイものだったのを思い出す。)

さて、上記のWIKIPEDIAの記事に戻ると、その「主張」「批評」は、主に上記の書籍でも言及されたボストンの日刊紙の批評家による小澤批判をリライトしているように思われる。百科事典的には少々感情的すぎる文章である。小澤ボストンのフィリップスの「春の祭典」への一評論家の意見を引いて攻撃することもあるまいに。確かに「自発性」という観点からは、その批判ももっともかと思うが。

なお、Wikipediaの記事にあった、マルコム・ロウというコンサートマスターによる小澤批判は書籍ではまだ書かれておらず、さらにタングルウッドの運営についてのあのセルとの共演で知られるレオン・フライシャー等とのいざこざも書かれているが、まだ起きてはいなかった。小澤征爾のボストンからの2002年の音楽監督辞任までいろいろトラブルが沢山あったのだなあと思う。

そのためか、ボストン響史上最長の音楽監督にもかかわらず、「桂冠指揮者」 conductor laureate/ laureate conductor の称号は授与されていない。

追記:ボストン響のホームページにあたると桂冠音楽監督だった。まったく恥ずかしい!

Seiji Ozawa Music Director Laureate

                   

Seiji Ozawa is Music Director of the Vienna State Opera since the 2002/2003 season and is an annual and favored guest of the Vienna Philharmonic Orchestra. Prior to his Vienna State Opera appointment he served as Music Director of the Boston Symphony for 29 seasons (1973-2002), the longest serving music director in the orchestra's history. Mo. Ozawa is also Artistic Director and Founder of the Saito Kinen Festival and Saito Kinen Orchestra (SKO), the pre-eminent music and opera festival of Japan and in June 2003 it was announced that he would be Music Director of a new festival of opera, symphony concerts and chamber music called "Tokyo no Mori" which had its first annual season in February 2005 in Tokyo. The 4th season opera in April 2008 was Eugene Onegin. In 2000 he founded the Ozawa Ongaku-Juku in Japan, an academy for aspiring young orchestral musicians where they play with pre-eminent professional players in symphonic concerts and fully staged opera productions with international level casting. The Ongaku-Juku opera for July 2009 will be Hansel and Gretel.

 

In 2004, Maestro Ozawa founded the International Music Academy - Switzerland dedicated to training young musicians in chamber music and offering them performance opportunities in orchestras and as soloists. Its first season was at the end of June and beginning of July 2005 and its 6th season will be June 25-30, 2009. Since founding the Saito Kinen Orchestra in 1984, and its subsequent evolution into the Saito Kinen Festival in 1991, Mo. Ozawa has devoted himself increasingly to the growth and development of the Saito Kinen orchestra in Japan. With extensive recording projects, annual and world-wide tours, and especially since the inception of the Saito Kinen Festival in the Japan "Alps' city of Matsumoto, he has built a world-class and world-renowned orchestra, dedicated in spirit, name and accomplishment to the memory of his teacher at Tokyo's Toho School of Music, Hideo Saito, a revered figure in the cultivation of Western music and musical technique in Japan. The Saito Kinen Festival was from August 26-September 9, 2008 featuring concerts as well as staged performances of Cunning Little Vixen, with Maestro Ozawa as conductor.

 

During 2007/2008, Maestro Ozawa's appearances included: Far East tour of Le Nozze di Figaro with Vienna State Opera [Shanghai, Seoul, Taipei, Keohsiung and Singapore]; Orchestre National de France concerts in Paris and at Besançon, Pique Dame with the Vienna State Opera; followed by Tannhäuser with the Opera National de Paris; Berlin Philharmonic European tour [Berlin, Paris, Lucerne and Vienna]; Zauberflöte für Kinder in Vienna; Elektra with Teatro Comunale di Firenze; Berlin Philharmonic concerts for the Salzburg Easter Festival; Japan performances with Tokyo Opera No Mori [Eugene Onegin]; Ongaku-Juku performances of Die Fledermaus followed by Saito Kinen concerts and staged performances of Cunning Little Vixen. Maestro Ozawa will be at Vienna State Opera in the 2008/2009 season with Pique Dame in September and October, followed by a tour in Japan with the Vienna State Opera in a production of Fidelio. November and December marks his return to the Metropolitan Opera, conducting Queen of Spades, as well as appearing with the Boston Symphony Orchestra in late November. January 2009 he performs with the New Japan Philharmonic in Japan, returning to Europe for a performance with Vienna Philharmonic Orchestra at Salzburg's Mozartwoche on January 24, followed by concerts with the Berlin Philharmonic Orchestra. He appears with Orchestre de l'Opéra de Paris at the Bastille on February 7, returning to Vienna for Zauberflöte für Kinder on February 20 followed by Vienna State Opera's Eugene Onegin in March. During April he will be in Japan for performances with the New Japan Philharmonic, Ongaku Juku and the Mito Chamber Orchestra. Returning to Paris in May, he conducts the Orchestre de l'Opéra de Paris with Renee Fleming on May 7; then tours with the Berlin Philharmonic also in May. Maestro Ozawa returns to Vienna State Opera for Eugene Onegin in late May/early June and following this period he has concerts in June with the Vienna Philharmonic. He will conduct and hold classes at his Swiss Academy June 25-30, returning to Japan for Ongaku Juku performances of Hansel and Gretel at the end of July followed by the War Requiem and concerts during the Saito Kinen Festival between August 26 and September 9, 2009.

 

Born in 1935 in Shenyang, China, Seiji Ozawa studied music from an early age and later graduated with first prizes in both composition and conducting from Tokyo's Toho School of Music. In 1959 he won first prize at the International Competition of Orchestra Conductors in Besançon, France, where he came to the attention of Charles Munch, then the Boston Symphony music director, who invited him to Tanglewood, where he won the Koussevitzky Prize as outstanding student conductor in 1960. While working with Herbert von Karajan in West Berlin, Mr. Ozawa came to the attention of Leonard Bernstein, who appointed him assistant conductor of the New York Philharmonic for the 1961-62 season. He made his first professional concert appearance in North America in January 1962, with the San Francisco Symphony. He was music director of the Ravinia Festival, summer home of the Chicago Symphony (1964-69), music director of the Toronto Symphony (1965-1969) and music director of the San Francisco Symphony (1970-1976). He first conducted the Boston Symphony in 1964 at Tanglewood and made his first winter subscription appearance with them in 1968. He was named Artistic Director of Tanglewood in 1970, Music Director of the Boston Symphony in 1973, leaving a legacy of brilliant achievement evidenced through touring, award-winning recordings (more than 140 works of more than 50 composers on 10 labels), television productions (winning 2 Emmy awards), and commissioned works.

 

Through his many recordings, television appearances, and worldwide touring, Mo. Ozawa is an internationally recognized celebrity. In recent years, the many honors and achievements bestowed upon Mr. Ozawa have underscored his esteemed standing in the international music scene. French President Jacques Chirac named him (1999) Chevalier de la Légion d'Honneur, the Sorbonne (2004) awarded him Doctorate Honoris Causa and he has been honored as "Musician of the Year" by Musical America. February 1998 saw him fulfilling a longtime ambition of joining musicians around the globe: he led the Opening Ceremonies at the Winter Olympics in Nagano, Japan, conducting the "Ode to Joy" from Beethoven's Ninth Symphony with the SKO and six choruses located on five different continents - Japan, Australia, China, Germany, South Africa, and the United States - all linked by satellite. He received Japan's first-ever Inouye Award (1994), named after Japan's pre-eminent novelist, recognizing lifetime achievement in the arts. 1994 also saw the inauguration of the new and acclaimed Seiji Ozawa Hall at Tanglewood. Mo. Ozawa also has been awarded honorary degrees from Harvard University, the University of Massachusetts, Wheaton College, and the New England Conservatory of Music.

               

 

その間の録音はあまり聞いたことがないが、少なくともツィメルマンとのラフマニノフの「第1番」の協奏曲の伴奏などは見事なものだったが。

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同書に対する感想(ネット検索で見つけて読んでみたもの)

http://blogs.yahoo.co.jp/shimabunbun6944/30346959.html

http://blog.livedoor.jp/akiravich/archives/51095423.html

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