カテゴリー「サイエンス」の40件の記事

2013年12月 4日 (水)

遺伝にとって画期的な研究のように感じた

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/medical_issues/?1386144944

恐怖の記憶、精子で子孫に「継承」 米研究チーム発表

朝日新聞デジタル 12月4日(水)14時51分配信    

 【吉田晋】身の危険を感じると、その「記憶」は精子を介して子孫に伝えられる――。マウスを使った実験で、個体の経験が遺伝的に後の世代に引き継がれる現象が明らかになった。米国の研究チームが科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表した。

 実験は、オスのマウスの脚に電気ショックを与えながらサクラの花に似た匂いをかがせ、この匂いを恐れるように訓練。その後、メスとつがいにして、生まれてきた子どもに様々な匂いをかがせた。

 すると、父親が恐怖を感じたサクラの匂いのときだけ、強くおびえるしぐさをみせた。孫の世代でも、同様の反応が得られた。

 父マウスと子孫の精子のDNAを調べると、嗅覚(きゅうかく)を制御する遺伝子に変化の跡があり、脳の嗅覚神経細胞の集まりが大きく発達していた。これ らの変化が親の「教育」によるものでないことを確かめるため、父マウスから精子を採り、人工授精で子を育ててその脳を調べると、同様の変化が見られた。

 生物の遺伝情報はDNAに刻まれて親から子へ引き継がれるが、生活習慣やストレスなど、後天的な要因で遺伝子のスイッチの入り方が変わることが知られている。研究チームは「今回の成果は、ある種の精神神経疾患の解明につながる可能性がある」としている。

朝日新聞社 最終更新:12月4日(水)14時51分

これが事実ならば、ニホンザルをはじめとする類人猿が、ヘビを先天的に怖がるという本能的な反応も説明できるように思える。

人間でも、臆病な性質を持つ男性の子どもは、やはり臆病な性質を受け継いでいるように思うのだが、これは自らを省みても思いいたるので、やはり後天的な獲得形質の遺伝というものも、これまでの通説とは異なり、遺伝するように考えられるようになる。

それでこそ、江戸時代の日本人の頭骨と、現代日本人の頭骨が、数世代しか離れていなくても大きく異なるというような「事実」が生じるのではなかろうか?

2012年8月19日 (日)

『重力とは何か』(大栗博司カリフォルニア工科大学 理論物理学教授)を読んだ

途中から何が何だか分からなくなったが、村山斉『宇宙は何でできているか』と同じ新書シリーズらしく、現代宇宙物理学と素粒子物理学の最前線の学者が書いた素人向け解説書で、興味のある部分についてはそれなりに楽しめた。まったく数式を使っていないので、イメージでの伝達になるのだろうが、筆者はそれが巧みなのだろう。

以下の記述は自分ながら支離滅裂だが、思い浮かんだイメージを自由連想的に書き連ねた。

アインシュタインの相対性理論(特殊と一般)や光電効果、ブラウン運動、宇宙項など、自分が科学少年だった頃に入門書で読んだ事柄が、当時の解説よりもこなれた分かりやすい形で位置づけられ、説明され、またその限界についても触れられている。

科学少年時代に夢見た速度の合成による光速越えについては、アインシュタインの理論の肝として明快に否定されてはいたが、宇宙の膨張速度自体は光速を超えることはありうるのだということも、どちらかの本に書かれていた。摩訶不思議。

究極の重力であるブラックホールと情報の喪失、存続の問題がいきなり出てくるのは面食らうが、現象の地平という考え方は、人間(?)の認識力の地平を画定するようであり、「ミクロにしてもマクロにしてもその向こうには何が?」という空間把握的な疑問は生ずるが、それが究極の限界なのだろう、今のところは。

小林・益川理論のCP対称性の破れの訳の分からない理論は、この本でなんとなくイメージがわいた。

(ニュートンの古典的?)力学では、現実に感じる力を「見かけ上の力」と表現することがあるが、どうにもこうにもこの「見かけ上の力」という考え方が理解できなかった。これが最新理論では、現実の力とされている?

それでは、重力とは何か?重力とは空間のゆがみなのだろうか?重力を伝える素粒子があるとされるが、イメージが湧かない。

宇宙の渦巻きと、台風の渦巻きは関係があるのだろうか?

ミクロとマクロのウロボロスの蛇の話は、『宇宙とは何か』の比喩で、その本とこの本の内容がこんがらがってしまう。

ダークマター(暗黒物質)は、WIMP (weakly interacting   massive particles)というものらしい。あの「ライラの冒険」にも出てくるような 夢物語、イマジネーションの世界のような話ではあるが、これが精緻な高等数学と、巨大で精密な小柴氏のカミオカンデのような観測装置、CERNのLHCのような実験装置によって理論化されつつあり、大統一理論を追い求めているのが、現代の物理学の最前線ということは、おぼろげながら分かった。

なお、筆者である大栗博司氏の 大栗博司のブログ:重力とは何か http://planck.exblog.jp/17948023/ に概要はまとめられている。

この本を読んだ後、『宇宙は何でできているか』を読み直してみたのだが、まとめ方の要領は、この『重力とは何か』の方が上手いように思った。ただ、相補関係的に、両書を読み比べることで、片方で分かりにくかったことがもう片方で分かるようになる感じがした。

関連記事: 2012年7月 7日 (土) 光速超えの否定とヒッグズ粒子?の確認

2012年7月19日 (木)

ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』 (池央耿訳)

2011年の1月、2月に読んだSF小説だが、最近たまたま買った漫画雑誌『ビッグコミック』にその漫画化版が掲載されていて驚いた(漫画化:星野之宣)。

記憶も多少薄れてしまったが、地球の衛星月の特異な(?)特徴をモチーフにした壮大なSFだった。

シリーズになっており、第2巻以降も続くらしい。

第1巻の『星を継ぐもの』の冒頭は、とても読みにくい。2010年の年末に帰省したおり、妻が持参して読み終えたのを、帰路の列車内で読み始めたのだが、何が書かれているのか五里霧中の様相を呈していて、これがこのまま続くのかと妻に聞いたほど。壮大な伏線であり、後になれば意味が分かるというので、読み続けたところ、次第に霧が晴れてきた。その後の展開は、月の起源、人類の進化の鍵も含めて壮大過ぎるほど大胆で面白い。

音楽で言えば、ちょうどシベリウスの第4交響曲のような感触といえようか。この晦渋ともいえる第1楽章を突破すれば、その後はシベリウス的に聴けることが最近ようやく分かった。

2012年7月18日 (水)

谷川流 『涼宮ハルヒの憂鬱』などのシリーズ

青春ものにはまっていた2010年の夏に、ブックオフで数冊シリーズを購入して読んでみた。

いわゆるライトノベルジャンルの中では大ベストセラーで、最近最新刊が出たらしく、書店の平積みの棚には、文庫本全巻と並んで、ユリイカの特集号まで積まれてあった。それほど、この小説とアニメーションのメディアミックスは成功しているらしい。

音楽のジャンルも細分化が進んでいるが、小説もライトノベルというものが分化していて、それなりに読者がついているようだ。先日、記事にした「ビブリア古書堂」シリーズもライトノベルに属するらしい。

このハルヒシリーズは、中高生や大学生くらいに人気なのだろうが、設定がSF的に奇抜であり、人物造形も奇天烈ながらもユニークで、面白い。さすがに萌え系のアニメ絵が無ければ、一般成人も読めるような気がする。

2012年7月 7日 (土)

光速超えの否定とヒッグズ粒子?の確認

2011年11月19日 (土) 光速よりも速い素粒子の再実験で、また光速超え?

という報道があったが、その後、実験装置の光通信コネクタ?に不備が確認されてだかして、光速を超えたという結果が否定された。

ニュートリノ:「光速超えたは誤り」 名大など正式撤回 毎日新聞 2012年06月08日 10時48分(最終更新 06月08日 15時22分)

素粒子ニュートリノの速さが光を超えたとする実験結果について、この結果を公表した名古屋大などの国際共同実験「OPERA」チームが8日、京都市 で開催中の「ニュートリノ・宇宙物理国際会議」で「誤りだった」との検証結果を報告した。昨年秋の公表以来、アインシュタインの相対性理論を覆すとして話 題を呼んだが、約8カ月で撤回された。                        

 OPERAチームによると、速度の計測に使った全地球測位システム(GPS)とコンピューターをつなぐ 光ファイバーケーブルの接続が緩んでいるのが公表後に判明。この影響でニュートリノが実際より速く測定されたとみて5月に2週間の検証実験を実施した。そ の結果、ニュートリノが光速を超える結果は得られなかったという。同日記者会見した小松雅宏・名古屋大准教授は「(超光速の結果は)ケーブルの緩みが原 因」との見解を示した。

 この日、欧米など他の3チームも検証結果を報告。いずれもニュートリノと光の速度に明確な差はなかったとした。

今週、予言されていてまだ実在が確認できなかったヒッグス粒子らしき粒子が発見されたという。CERNの大型加速器による実験の成果だという。
スティーヴン・ホーキングは、ヒッグズ粒子が見つからないことに100ドル賭けていたという。それほど確認が困難だということなのだろう。今回の巨大加速装置と2000人を超える世界中の科学者の英知を集めた検証による成果らしいが、上記の「光速超え」のようなアリの穴が無いとも言い切れない。

2011年10月21日 (金) 村山斉『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎新書)

まだ解明されていない暗黒物質、暗黒エネルギーの解明に役立つのだろうか?

ところで、このCERNは、数年前の小説(「ダ・ヴィンチ・コード」(The Da Vinci Code)のダン・ブラウン)と映画「天使と悪魔」(Angels & Demons)でも登場したり、暗黒物質は、ファンタジー小説の『黄金の羅針盤』(フィリップ・プルマン著、その英語原題はHis Dark Materials)にも登場する概念だった。

2012年5月29日 (火)

モスキート音(高音域)の聞こえ方 簡易テストのページ

歌心のないドグマの響き - Wein, Weib und Gesang のリンクから

考える葦笛 : 音楽家の方はぜひお試しを!を読み、そこからのリンクで

モスキート音のテスト視聴で(耳の)年齢チェック - 分類不定気味な日報を見つけ、試してみた。

実年齢よりも一世代低年齢の音(より高い音)を聞くことができたが、さらにそれよりも一世代若い人向けの音は聞くことができなかった。

朝起きてきたティーンエージャーの子どもに聞かせてみたらその年代向けの音が聞こえないようなので、PCのスピーカー自体の再生周波数に影響されるかもしれないとは思う。

帰宅後、再度20-20,000Hzの再生帯域のイアフォンで聞かせてみたところ、実年齢の一つ上の年代のところまでは聞こえたと言っていた。どうやらノートPCのスピーカーの帯域は狭いようだ。

この関係で、検索してみたところ、

可聴周波数域チェッカ http://masudayoshihiro.jp/software/mamimi.php

というダウンロードして使用するフリーソフトを見つけた。人気のあるソフトのようで、相当詳細に可聴範囲が測定できるようになっている。

この結果はモスキート音テストのものとあまり大差はなかった。

SACDは、滑らかさや自然さ、聴き疲れの無さといった特徴はあるようだが、こと高音域に関しては自分にとっては無用の長物かもしれない?

2012年5月20日 (日)

金環日蝕を待つ

R0011749_3 5月21日月曜日の午前7時30分頃の金環日蝕(日食)観測のために、太陽観測用メガネを買ったり、子ども達が学校からもらったり自作したりした。

私が小中学生だった時代は、色つきの下敷きでの太陽観測が普通だった。その後、中学生の時に屈折式の望遠鏡を買ってもらったときには、太陽観測用の投影盤も付属してきたが、接眼レンズにねじ込んで使える色つきのフィルターが付いてきて、直接覗き込んで黒点観察をしたこともあった。誠文堂新光社の「天文ガイド」が懐かしい。

しかし、現在では、太陽光線に含まれる紫外線と赤外線を通さないフィルターが開発されており、今回はそれを使うように指導されるようになっている。上の写真のフィルターはすべてそのような効果を謳っているもので、これで蛍光灯を見ても全く光を通さず、太陽を見ると、それぞれ色合いが異なるものの、目に優しい照度に減光された太陽の円盤が見えるようになっている。

カメラでの撮影は、金環日食になった時点でもそれほど暗くならず、太陽光の直接撮影はカメラの受像素子を破壊する恐れがあるため、絶対やらないように呼びかけられている。写真マニアは、NDフィルターの相当強力なのを準備しているらしく、そのフィルターの機種は売り切れになっていると聞く。

自己責任で試してみようと、上の写真の手作りフィルターが適度に大きいので、デジカメの前にフィルタとして翳して撮影したのが、下記の写真(参考:星ナビ)。光学ファインダーは付いていない液晶モニターのみのデジカメなので、特に問題はないようだ。

倍率は等倍のままで、露光をマイナス2にして、ピントを∞にして撮影したもの。ほんの光点にしか見えない。

R0011745

これをトリミングして拡大したものがこの写真。この程度に拡大すれば、相当粒子が粗くなるが、なんとか蝕の模様もわかるだろう。

R0011745r_2

当日の天気は、まだはっきりしないけれど、今のところ見られそうだ。

http://tenki.jp/forecaster/diary/

近隣の動物園では、チンパンジーなどの動物の行動観察も行われるそうで、そのため開園時間を午前6時からにしたそうだ。(よこはま動物園ズーラシア)

追記:2012/5/21 朝5時30分 残念。東の空は雲がかかっていて、太陽の姿は雲の向こう。

2012年5月12日 (土)

電子書籍は記憶に残りにくい? 脳科学から問う 紙の本VS電子書籍 (ダ・ヴィンチ) - Yahoo!ニュース

電子書籍は記憶に残りにくい? 脳科学から問う 紙の本VS電子書籍 (ダ・ヴィンチ) - Yahoo!ニュース

という記事を読んで、なるほどと思った。

R0011723 本格的な電子書籍ではないが、数年前に発売された任天堂DSというゲーム機用のソフトで著作権切れの日本文学が多数収録されたソフトウェアが出て、しばらくそれを楽しんだことはこのブログでも書いたが、


おそらく、ブログの記事にでもしていなければ、忘れてしまっていただろうと思うことが多い。

同じように音楽鑑賞でも、大量の音源が収録できるDAP デジタル・オーディオ・プレーヤーでの鑑賞は、ながら鑑賞になりやすいこと、飽きればすぐに別の音楽を選べること、などが相まって、音楽に集中するレベルが、実演やオーディオセットでのLPでの鑑賞とは比べるべくもないが、ポータブルCDプレーヤーでの鑑賞に比べても、劣るように思う。そのためか、記憶に残ることが少ないように思う。

R0011722 本にしても、読了した本を開架の本棚に背表紙を見えるように並べておくことによって、たえず記憶神経回路が刺激を受け、そのことによって内容や感想の記憶が定着すると言われ、それに比べて、感想文でも残しておけば別だが、図書館から借りて読んだ本は記憶に留まることが少ないと言われ、実体験でもそれを感じる。

また、記憶の鍵やトリガーになる周辺環境的な感覚(イメージ、色、臭い、味、感触など)を伴う記憶が残りやすいとされ、指揮者の故岩城宏之氏のエッセイ『楽譜の風景』に書かれていたように、『春の祭典』のような難曲の暗譜にはページのシミなどのイメージ情報、見開きの「風景」が役立ったとされるが、フォントの大きさや段組みなども自由にレイアウトできる電子書籍では、そのようなキイになる情報は所与のものとしては与えられないことになる。

電子化のメリットは、莫大なものがあることはあるのだろうし、これからの若い世代にとってはそのような情報環境の中で育つことで、また記憶のありようも変わってくる可能性もあるのだとは思うし、情報の複写、配布、検索という点では特に利便性があるのだろうが、一個人としての受容という意味では、問題があるのかも知れない。

2012年4月28日 (土)

文庫本が出たので『銃・病原菌・鉄』(草思社)をようやく読み始めた

我々現生人類であるホモ・サピエンス・サピエンス(旧人ネアンデルタール人はホモ‐サピエンス‐ネアンデルターレンシスと言うらしいが、最近の知見では、現生人類にもネアンデルタール人の遺伝子が少し入っているらしい, 別記事だが、1997年の時点で書かれた表題作ではネアンデルタール人は現生人類に絶滅させられたとされている)が作り上げた現代文明がまだ氷河期を経験していないことはつい忘れがちだ。

本ブログ子は、学生時代に読んだ安部公房の『第四間氷期』が忘れられずに、地球温暖化を危惧しつつも、現在が間氷期であることをときおり思い起こしている。

先に太陽の磁気反転が確認され、その冬眠と呼ばれるほどの活動停滞がどうやら本物らしく、数年前の関連ニュースに触れたこのブログの記事も少なからぬアクセスをいただいたが、江戸時代の八代将軍吉宗の頃の時代(ヨーロッパ音楽史では、ちょうど大バッハの時代)の小氷河期に、記録によると同じように太陽黒点が消えた状態となっており、どうやら太陽の活動の低下 → 太陽表面の黒点が減少する → 地球が寒冷化する という各現象間には因果関係が認められるということらしく、今回の太陽の状態からみてもそう遠くない将来に小氷河期がおとずれる確率が高まっているということのようだ。

このようなシミュレーションのためには、それこそ「京」などのHigh Performance Computer (HPC, スーパーコンピューター)の出番だと思うのだが、シミュレーションのためのモデルの策定は難しそうだし、パラメーターとしてそれに用いる観測データもまだまだ乏しいのではなかろうかと危惧する(このあたり素人談義。というより全篇素人談義だが。)。

R0011731

さて、朝日新聞が2010年にこの10年間で最も重要な本であると宣まった表題の『銃・病原菌・鉄』 (Guns, Germs and Steel The Fates of Human Societies by Jared Diamond 1997, 2000年日本語版 2012年文庫版) だが、ハードカバー2冊で書店で手に取ることはあったけれど、なかなか購入に踏み切れずにいたところ、ようやく最近草思社としては珍しく?文庫版が刊行された。文庫とは言え相当高価な部類に入るのだが、何とか購入して、ようやく読み始めた。

西洋人の本に多いのだろうが、このような一般向け(と思う)の本でもまえがきが結構長く、また、すでにあれこれと書評などからの予備知識のような粗筋的先入観、バイアスも入っていることもあり、まずはパラパラと興味のある章から読み始めてみた。病原菌に関する章やアフリカに関する章を読んでみたが、これは面白い。(ただ、プロローグで、「環境決定論」について触れてはいるが、やはり「環境決定論」的な主張だと思うし、こうなってしまっている現状の原因を探り説明を加え、決定論的な解釈に至るということは、一面では過去肯定でありかつ現状肯定、過去の人類の罪悪の免責という誹りも受けることにもなるのではないかと思った。)

そういう根本的なところでの疑問はありながらも、このような大風呂敷的な展望が得られる概観書は面白い。あらゆる理論は仮説でもあり解釈でもあると思うが、このような壮大な仮説・解釈には心を揺さぶられる。(原書はもちろん、翻訳も読んだことはなく、竹内久美子の受け売りだがドーキンスの「利己的遺伝子」説だとかもそうだった。)

さて、これに絡めて検索していたら、増補版の「日本人とは何か」の日本語訳があるのが分かり、読んでみた。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-7392.html

これも訳者が脚注でツッコミを入れているような、書かれている対象としての我々日本人からすれば偏った、不正確な記述もあるが、日本人起源論について粗雑ながら大づかみに要領よくまとめてあり、刺激的だし、ここから議論が出発することもあるだろうと思った。これが正規に出版されないのは惜しいと思う。

2011年11月19日 (土)

光速よりも速い素粒子の再実験で、また光速超え?

台風ではないが、時折猛烈に発達する低気圧(嵐)があるが、今日の嵐もその類だったようだ。徳之島では、突風か竜巻かで、痛ましいことに家が吹き飛ばされ て三人が亡くなったという。台風のときにもめったに無いことだが、温帯低気圧のときには突風、竜巻の発生がみられることがあるようだ。いつも書いている が、気象庁やマスメディアはもっとこのような嵐には注意を喚起すべきだと思う。

さて、先の日本チームの実験の再実験の結果が注目されていたが、また光速を超えたということだ。

http://www.cnn.co.jp/fringe/30004648.html

ニュートリノ、再実験でも光より速い

(CNN) スイスにある欧州合同原子核研究機関(CERN)の国際共同研究グループOPERAは18日、素粒子ニュートリノが光より速く飛んだとする実験を再度実施し、同一の結果が得られたと発表した。

今 年9月の最初の実験結果を受け、科学界で疑問が出たことなどを踏まえ再び行ったもので、実験装置を厳密に点検したほか、速度測定に工夫を加えるなどした。 これらの実験結果が事実なら、光より速いものはないとするアインシュタインの相対性理論を覆す大発見で、現代物理学の根底を揺るがす可能性がある。

ただ、OPERAは再実験の結果が同じだとしても、実験の正しさなどの最終証明には中立的立場のほかの科学者の立証が必要であることに変わりはないとしている。

(以下略)

サイエンスの世界観が大きく揺らいだことになる。コペルニクス的転換と言われたが、今度はどのような名前で呼ばれるのだろうか?

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