カテゴリー「コーヒー・紅茶・緑茶」の15件の記事

2024年1月30日 (火)

新型コーヒーミルで焙煎豆を挽いて飲む

手挽きコーヒーミル 中国製のタイムモア TimeMore C2 Maxを年初に購入してから、コーヒーを淹れるのが面白い。

あらかじめ中細挽きで挽かれた粉売りのレギュラーコーヒーで淹れた場合に比べて、ミルで比較的細かく挽いても(C2 Maxで18クリック)お湯が滞留せずに素早くドリッパーから落ちてくれる。多分微粉の含有率が低いのだと思う。微粉が少ないとペーパーが目詰まりしないから、お湯の透過速度が速いのだと思う。粒度も揃っているように感じる。挽きの粗さを調節することにより、同じ豆でも味が微妙に異なるのが分かる。細く挽くと濃厚に、粗く挽くとスッキリとする傾向だ。ただ、お湯の温度、蒸らしの時間、ケトルから注ぐお湯の量など、味に影響を及ぼすファクターが様々で、マトリックスク的な管理表で採点でもしないと、なかなか満足する味のコーヒーが淹れられないし、さらに再現が難しい。

昨年末からこれまでに購入した豆。

  1. UCC モカ100% Medium Roast 200g  エチオピア産  賞味期限 2024.10.06 (スーパー店頭売り)
  2. 京都西京極 小川珈琲店 有機珈琲オリジナルブレンド  160g  有機ペルー中煎 25%, 同エチオピア同 20%, 同メキシコ同15%, 同ホンジュラス同15%, 同インドネシア同15%, 同ウガンダ同10% 賞味期限 2024.11.29   (スーパー店頭)
  3. UCC ゴールドブレンド スペシャルブレンド 250g  ブラジル、ベトナム産 賞味期限 2024.11.17 (スーパー店頭)
  4. スターバックス ハウスブレンド ミディアムロースト 味わいの強さ8、アラビカ種100% 250g コロンビア、グアテマラ産 原産国名ベトナム、輸入者 ネスレ日本 賞味期限2024.10(スーパー店頭)
  5. ジュピターブレンド 200g ブラジル、コロンビア、エチオピア、他 賞味期限 2024.06(ジュピターコーヒー店頭) 

ところで、コーヒーミルの世界は、2005年にドイツのミュンヘンで創立されたコーヒー焙煎の会社が、2013年にコーヒー調達旅行向けの携帯用のコマンダンテという名の高性能グラインダー(ミル)を開発し製造・販売を開始したことで、画期を迎えたようだ。現在、このミルは円高の影響もあり、日本ではamazonなどで、何と5万円近い価格で販売されている。

私が購入したTimeMoreや、1Zpresso KINGrinderなど、日本でよく売れているミルは中国本土製だが、価格的にはコマンダンテの半額から数分の1ほどの価格で売られている。

不思議なことに、日本製の手挽きミルにはコマンダンテに類似する金属刃タイプの携帯用コーヒーミルはほとんど製造されていないようだ。レトロな雰囲気の手挽きミル(携帯性はない)は、ドイツの老舗ザッセンハウスのものが売れているらしい。

日本のコーヒー用具の老舗メーカーのカリタや、ハリオ もコマンダンテや中国勢とは異なり、これらとタメを張るような製品を出していないのは少し寂しい。

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2024年1月 9日 (火)

趣味としてのコーヒーと新しいコーヒーミル

自家ドリップコーヒーを飲み始めたのは学生時代に遡る。

クラシックな昭和の喫茶店に入り浸る習慣はなかったので、何がきっかけだっただろうか。はっきりとした記憶はない。

仙台市の林子平の墓所のある寺院近く(子平町)の市街地のアパートに住んでいた頃、比較的近くに住んでいた同郷の友人が下宿先でアルコールランプのサイフォン式コーヒーを振舞ってくれたコーヒーが香り高く美味かったのが自分でドリップするようになったきっかけの一つだったかも知れない。 (林子平の墓は仙台市青葉区龍雲院にあるが、その龍雲院の所在地は1967年(昭和42年)の住居表示の際にそれまでの半子町から、墓があることにちなみ子平町と改称されている

子平町から星稜町の医学部キャンパス方面につながる道路沿いに、自家焙煎のコーヒー豆の販売店を見かけたのも偶然といえば偶然だった。店主は独立する前はUCCコーヒーで勤務していたと語っていた。この店の挽き売りの粉のコーヒーを何種類も試してみたが、中でもマンデリンが独特な味だったのを今でも思い出す。

以来コーヒー趣味も長く続き、最近はやりのスペシャルティコーヒーなる高級豆を購入するまでには至っていないが、大手メーカー製のスーパー売りの粉や豆、輸入食品店の豆などを購入して楽しんでいる。

長らく、カリタ式、メリタ式のペーパードリッパーで楽しみ、燕市製の細口のケトルを入手し、たまに豆で購入した時には簡易なコーヒーミルでグラインドするなどして飲んできたが、ハリオ式の円錐型ドリッパー(旧ツイッター)を入手してから、安定した味が出せなくなり、少し淹れ方を工夫し試行錯誤(旧ツイッター)するようになってきた。(カリタ式、メリタ式は手軽に安定した味が出せるのは今更ながら素晴らしい。)

さて、年末年始のインフルエンザとタミフル副作用による腸炎の療養で寝込む前に、たまたまカタログギフトで以前からほしかったコーヒー・紅茶用のフレンチプレスを手に入れていて、ペーパードリップにはないまったりとした味わいも楽しむようになっていたが、臥せっている間にたまたまYoutubeで岩崎泰三氏などコーヒーマニアの方々のコーヒー動画を見る機会があり、ほぼ絶食状態でも食欲をそそらず吐き気も催さないコーヒーの動画を大量に見てしまった(グルメ動画は見る気がまったく起らなかった)が、一番影響を受けたのは、最近流行している新型のコーヒーミルの性能向上とそれによる自家淹れのコーヒーの味わいの違いの情報だった。

そこで、中ではリーズナブルな価格と思えた TIMEMORE社(中国企業)の 栗子C2 Max という機種をネットショップ経由で購入した。

届いたC2 Max 動画で早速使用法を確認。

手挽きミル【TIMEMORE C2】のご紹介!

『タイムモアC2』を初めて使用する方への入門解説動画〔573th〕

【TIMEMORE】タイムモア コーヒーグラインダー C2ブラック挽き目解説・分解・清掃・組立 CoffeeMill TIMEMORE C2〔367th〕

【手挽きミルのメンテナンス】タイムモアC2&C2MAXの裏技お手軽メンテナンスと分解清掃組み立てが全てわかる動画

そして実際に挽いて飲んでみた。

フレンチプレス

ペーパーフィルター

挽きやすさは、旧式のミルに比べると段違い。粉の粒の大きさの調整はいろいろ試してみよう。

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2012年10月 8日 (月)

コピ・ルアクをとうとう飲んでみた

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2012年6月 2日 (土) コピ・ルアク を注文をしたはいいが、その後続いた暑さと湿気で、ドリップコーヒーを自宅で飲む気になれず、もったいないことに今まで放置していた。

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10月1日のコーヒーの日なるものも過ぎ、前の森から蝉の鳴き声が聞こえなくなった体育の日に、コーヒーミルで挽いて、ペーパードリップで落とし、ようやく飲んでみた。

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さすがに購入したときの芳香は大分おさまってしまっていたが、めったに飲めないものなのでミルを掃除し、気合を入れてドリップして、家族全員で試し飲みをしてみた。

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ベースは、マンデリンということでもともとコクがあるコーヒーで、それほどコーヒー自体の香りは高くない品種だが、穏やかでマイルドな味わいだった。熱い温度のときよりも、冷めてきた方が特徴がでるようで、最後にカップに残ったコーヒーの香りや後味が悪くなかった。

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カップ2杯で、約1200円するのだから自宅で飲むコーヒーとしては破格の値段ではあるが、喫茶店で飲むことは考えればそれほど高いものではない。

今は、コーヒー豆も手軽に入手でき、ドリップコーヒーも家庭で安価に飲むことができるが、今回のような貴重な豆を扱うように、以前の日本人は飲んでいたんだろうなと、そんなことに思いを馳せた。思えば本当に贅沢な暮らしに慣れてしまったものだと思う。

その後、せっかく出した道具なので、冷凍庫に保存してあったウィーン土産のコーヒーの最後をドリップして飲んでみた。ヨーロッパの中でも最も早くコーヒーが親しまれた都市ということもあり、お土産のコーヒーながらとても美味しいものだった。コピ・ルアクとはまったく別の風土のヨーロピアンコーヒーで、ウィンナコーヒー用なのか苦みの強いもので、冷めるとよけいその苦みが際立った。

2012年6月 2日 (土)

コピ・ルアク を注文

フィンランドの首都ヘルシンキを舞台に小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ という個性派女優たちが出演した不思議な設定の映画『かもめ食堂』でも登場した「コピ・ルアク」というコーヒーが美味しくなるおまじない言葉。

インドネシアではジャコウネコのことをルアク、コーヒーをコピというらしく、そのジャコウネコに関係のあるコーヒーとのことだ。ジャコウネコは、麝香という名前が付けられているだけあり、ムスク系の臭腺を持っているのだという。おそらくその関係でコーヒーに独特の香気がつくらしい。とにかく希少品らしく、コーヒー1杯1万円ほどする場合もあるという。(少々ゲテもの系ではある。)

先週、最寄のコーヒー店が今年も取り扱うという新聞記事が全国紙の地方版に掲載されたので、帰宅時にその支店に立ち寄ってみて「コピ・ルアクを注文したいのですがまだありますか」と尋ねたところ、「新聞記事を読まれましたか?注文受付中です」とのことで、予約してしまった。値段は何と50gで2,400円という高さ。レギュラーコーヒーを買っている他の店は、トラジャコーヒーでも200gで800円前後の値段のものが多いので、それに比べると12倍だ。

ジャコウネコは名古屋城の復元された障壁画にジャコウネコが描かれていたのを発見して驚いたのは、今年の名古屋旅行の記事に書いたが、「かもめ食堂」も今年テレビで見たので、何かと縁がある。 中旬には入手できるようだ。楽しみだ。

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2008年4月 2日 (水)

角山栄『茶の世界史』を読んだ

先日の『コーヒーが廻り世界史は廻る』 に続いて、同じ中公新書の『茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会』(中公新書596)を読み終えた。こちらは、1980年初版というので、相当古い本だが、2002年で27版と相当ロングセラーとなっているようだ。

コーヒーの歴史もそれまでは俗説しか知らなかったが、この茶の歴史も興味深いものだった。意外にも西欧に入ったのは、大航海時代で15世紀から16世紀頃のことで、コーヒーと踵を接するようにして紹介されたのだという。大陸諸国では、カフェイン飲料としてコーヒーが主流となったが、イギリスとロシアでは、茶が主流になったのは、ヨーロッパの性格に思いを馳せるとなかなか面白い。

また、アメリカ、カナダで緑茶が相当の期間嗜まれていたということもこの本で初めて知った。開国以降の日本が、絹に次ぐ輸出品として相当大量に北米に緑茶を輸出していたということはほとんど知らない歴史だった。最近また茶の輸出が話題にのぼっているけれど、茶は明治の日本の経済を支えた重要な輸出品だったのは意外だ。それが、インド、セイロンの紅茶との競争に敗れ、ほぼ現在のような茶の世界地図になったのだという。

イギリスが茶を飲むようになった当初も緑茶が主だったというのは、驚くべきことで、紅茶の歴史はまだ比較的新しいのだという。それが、大英帝国の威光により、イギリス王室御用達の銘柄が今では緑茶国日本でもむやみに有り難られているのもおかしい。

なお、イギリスのインド植民地政策は、上手な支配によって行われたというのが、前回のコーヒーの本でも取り上げられたことだが、アングロ・サクソンは、インドの綿製品をつぶすために、綿織物の職人の目をつぶし指を切るというような残酷なことを行ったことが、この本に紹介されていた。また、砂糖も西インド諸島(カリブ海)で生産するために、多くの黒人奴隷を王の名の下に、三角貿易により連行してきたこと、銀の流出を抑えるためアヘンを中国(清)に持ち込み、それに抗議した清国を相手に言いがかり的な戦争をふっかけて、香港などを直轄植民地化したことなど、当時の大英帝国の帝国主義、植民地主義による乱暴な行為は、まったくひどいもので、そのような過去にはまったく口をつぐんで正義面、地球の主面している欧米諸国は、一度猛省をすべきではないのだろうかと、改めてつくづく思ってしまった。昨日見た映画『オリバー・ツイスト』(ディケンズ原作)の冒頭、教会の慈善団体が運営する孤児院の理事達の偽善者としての描かれ方は痛烈だった。あのような紳士たちが本国で植民地経営の恩恵にあずかり、その意味ではホームズやワトソンと言った中産階級的な紳士連も同じ穴の狢であろうか。

茶とコーヒーという現代社会では当たり前の嗜好品の経済史を通じて、この近代社会の非常にゆがんだ一面が活写されており、大変勉強になった。上品なお紅茶、奥深いコーヒーなどと脳天気なことを言っていられない気分だ。それかあらぬか、最近コーヒーの飲み過ぎのせいか胃酸過多気味で、少しコーヒー断ちをしている。

参考記事:2012年7月13日 (金) アクセス解析と学生の課題図書?

2008年3月27日 (木)

臼井隆一郎『コーヒーが廻り世界史が廻る』

3/25から3/26にかけてココログ(フリー以外)がメンテナンスに入っていたため、投稿はフリーのサブブログの方にしたが、そのときに書いた中公新書を早くも読み終えた。

実に面白い本だった。1992年に初版というのだが、これまで背表紙も見た記憶がないので、逆に驚いている。ネットを検索すると、結構この本の感想や書評が見つかるので、それなりに有名な本ではあるようだ。

コーヒーの歴史が人類史の中でも比較的新しく、イスラム神秘主義が生みの親だとは知らなかった。それが、ヨーロッパでは修道院で意識を覚醒し、欲望を沈静させるということで、尊重されたという経緯があるようだ。そして、これがイギリスではコーヒーハウスにより有名なロイズの保険を生み出し、一方でその欲望沈静化作用を言い立てられた結果イギリスではコーヒーは廃れ紅茶が飲まれるようになったとか、フランスではカフェがフランス革命のゆりかごとなったり、ドイツでは市民革命の鬼子ファシズムを生んだりと、またその背景に西インド諸島、東アフリカでの植民地と黒人奴隷労働があるなど、コーヒーというカフェイン嗜好飲料がとてつもない働きを近代史の上で残しているということが読み物として面白く語られていた。副題の『近代市民社会の黒い血液』というのは、言い得て妙だと思った。

またイギリス人の支配、ドイツ人による官僚による匿名性の支配という図式(p.188前後)の提示は非常に面白いものがあった。

近著で、『パンとワインを巡り 神話が巡る』というのも出ているようだ。こちらにも興味がある。

2008年3月16日 (日)

グアテマラコーヒーの香り

グアテマラ Guatemalaという国にはあまり馴染みがないが、2008年2月11日 (月) 最近の新聞記事から 「コーヒーの香り」とDVDの寿命で、ブルーマウンテンと並んで香りのリラックス効果が高い銘柄としてグアテマラが挙げられており、興味を持った。

そこで、帰宅時に最寄のコーヒー店に立ち寄り、グアテマラを探したところ、ブラジルなどの通常品と同じ程度の値段で売られており、早速買い求めた。ブルーマウンテンは、ハワイアン・コナと並ぶ高価さで、その5倍程度の値段だったので、ちょっと手が出ない。

早速、帰宅後ミルで挽いてみると、挽くときの香りからしてまず素晴らしい。少し甘みがある香りがするので、挽くだけでリラックス効果があるようだ。

いつも通りにドリップして飲んでみると、液体としてのコーヒーの香りも、味もマイルドで飲みやすい。これまで、モカ、ブラジル、キリマンジャロ、マンデリン、ジャマイカなどいろいろ試しながら楽しんで飲んできたが、このグアテマラはその中でも気に入った。

それを飲みつくした後、同じ店に立ち寄ったところ、普通のグアテマラの約2倍の値段で、グアテマラ・サンタバーバラという銘柄が売られていたので、購入。早速飲んでみたところ、通常のグアテマラとは結構性格が違うように感じた。香りも独特の甘さはないが、ドリップ後のコーヒーは、雑味がなく、非常にすっきりした味のようだ。むしろコクが無さ過ぎるようにも感じる。これはこれで、悪くはない。調べてみたところ、私の感じた印象とは違うが、結構高品質な銘柄のようだ。味や香りの比較表もあった。

前回のグアテマラは、一般品だと思うが、グアテマラコーヒーといっても農園ごとに非常に細かいようだ。

コーヒーの世界も奥深い!

ただ、最近、さすがに手で引くスローライフのコーヒー生活も時々面倒くさくなってきた。最近のコーヒーメーカーは、ステンレスポット(魔法瓶)が主流らしく、電気代もあまりかからないとの記事を読んだ。電動ミルと一緒に購入を考えてもいいかも知れない。

2008年2月18日 (月)

セル/CLO ヴァーグナーの『リング』抜粋オーケストラ曲集

Szell_wagner_ring ヴァーグナー 

楽劇『ニーベルングの指環』より

1.『ラインの黄金』より『ヴァルハラへの神々の入城』
2.『ヴァルキューレ』より『ヴァルキューレの騎行』
3.『ヴァルキューレ』より『魔法の炎の音楽』
4.『ジークフリート』より『森のささやき』
5.『神々の黄昏』より『夜明けとジークフリートのラインの旅』
6.『神々の黄昏』より『ジークフリートの葬送の音楽と最終場面』
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 (MYK36715 Produced by Andrew Kazdin, マルC 1985)

先の土曜日は、午前中に家族と用事に出かけた。そのおり、知人に噂話を聞いていてブログ記事で確認できたコーヒー豆の焙煎販売店で、ブラジルサントスとマンデリンを買い求め、早速ブラジルを挽いて飲んで見た。癖がなくスタンダードな味を楽しめた。

その午後は特に用事もなかったので、コーヒーを飲みながらテレビを楽しんだ。

世界の建築100選の後半50選をBSで放映しており、日本の城郭(松本城や姫路城)のほかに、ヴェルサイユ宮殿やアルハンブラ宮殿なども取り上げられており、その中にバイエルン王の例のルートヴィヒ二世のノイシュヴァンシュタイン城とそのほか彼が作った2件の宮殿が放映され、ヴァーグナーとの関わり合いについても結構詳しく紹介されていた。(ヴィスコンティの『ルートヴィヒ』も、こういう予備知識を持っていればもっと鑑賞が面白かったかも知れない)。

ノイ・シュヴァン・シュタイン 新しい・白鳥の・石 は、名前自体が白鳥の騎士ローエングリンの伝説に基づくものらしいし、城内にはなんとタンホイザーのヴェヌスブルクの洞窟まで再現しているのだという。また礼拝堂の見事な中世風のステンドグラスの下絵はルートヴィヒ自身によるものだという。まるで、ディズニーが一国の国王になったような人物だったわけだ。

そんな番組に刺激されて、最近ようやく入手できたセルとクリーヴランド管による"Ring"の抜粋盤を楽しんだ。同趣向のものは、以前ショルティとVPOによるものを取り上げたことがあるが、このセル盤はそれよりももっとずっと早い時期のもので、セル自身が曲と曲のブリッジの部分を作曲したとも言われているものらしい。

(じっくり耳を通していないのがばれてしまう記述だった^^; 抜粋にブリッジを追加して作曲したのはマゼールで、ベルリンフィルとテラークに入れた録音でそれを聴くことができる。セルのこの抜粋集にはそのような経過部はついていない。2010/1/29追記)

この盤自体、1985年の発売であり、最新ディジタルリマスタリングでもないので、音響は少々鮮明さを欠くものだが、これこそ「リング」入門に最適との評価もむべなるかなと言う非常に理解し易いまとまった音楽になっているように感じた。

2008年2月11日 (月)

最近の新聞記事から 「コーヒーの香り」とDVDの寿命

ひとつは、2月3日付けの朝日新聞のbe on Sunday の「日曜ナント カ学(NANTO-KAGAKU)」 の「豊かな香りで脳リラックス」の特集記事。昨年秋のカンボジアコーヒー以来毎日のように自分で挽いたコーヒーを楽しんでいて、比較的精神的な調子もいいので、結構興味深く読ませてもらった。

以前、コーヒーを飲むと便通がよくなるので、大腸ガンの予防になるとかいう話が広まり、知人にも「コーヒーを飲んでいたときにはポリープの指摘がなかったが、やめたら定期健診で指摘され、またコーヒーを復活したら良いようだ」という体験談を語ってくれた人もいた。その一方で、相当焙煎によって豆のたんぱく質や糖分、油脂分を炭化させるので、発がん性云々という話はまだ消えないし、カフェイン中毒や不眠の害もまだ絶えない。

この新聞記事では、コーヒーの香りが脳をリラックスさせるということ、豆の種類によって効果が違いブルーマンテンやグアテマラで特に効果が高いという実験結果などが紹介されていた。ただ、その香りの成分が多すぎて分析はまだまだ途上のようだ。また、上記の「大腸ポリープ」ではなく、肝臓がんの減少効果が日本の厚生労働省による10年9万人に渡る追跡調査で裏付けられているらしい。また、糖尿病にかかっていない人に対しては予防効果があるのだという。

別に健康のためにコーヒーを飲むということはないし、単なる嗜好品として飲んでいるだけだが、このような記事を読むと、なお一層飲んでしまいそうだ。これまで、味わったのは、例のカンボジアコーヒー以降、普通のブラジルのストレート、ドミニカントリプルA、UCCのモカブレンド、スターバックスのクリスマスブレンド(妻購入)、キリマンジャロのストレート、トラジャのストレート、南蛮屋の炭火焼きスペシャルブレンドとうまかブレンド、それに最近生豆からその場で焙煎してくれる店のマンデリン。

豆の種類もさることながら、挽きの細かさ・粗さ、粉の量、カリタ・メリタ、蒸らし方、ドリップ時のお湯の注ぎ方(一息に、また、数回に分けて)などといろいろ試みているので、これは美味いというときと、少しビミョーというというときが交錯するが、総じて挽いているときの香り、ドリップしているときの香りには確かにリラックスさせてもらっている。

2月9日(土)の夕刊のトップは、DVDディスクに寿命格差があり、メーカーによって「数年から永遠まで」の差があるのだという。これは、日本のディジタルコンテンツ協会による実験結果で、2003年から4年かけて日本国内で市販されている18ブランドを対象にしたものだという。DVD-R8件、DVD-RW5件、DVD-RAM5件。日本ブランドと台湾ブランドのもののみ。 調査の原文は、この「長期保存のための光ディスク媒体の開発に関するフィージビリティスタディ」 http://www.dcaj.org/h17opt/17optstudy.html 内の126ページにも渡るpdfで読むことができる。

愛用のhpのノートPCは、購入直後にライティングソフトで苦労したのでいろいろ試した結果、現在はお気に入りのブランドは確立しているのだが、そのブランドの良否はどうか気になるところだけれど、一応新聞記事と上記報告書を照合すると、どのブランドがどの結果なのかは分かるようには思える。

2008年1月17日 (木)

メリタとカリタと自家焙煎

ネルドリップ、サイフォン、パーコレーター、水出し、煮出し、エスプレッソなどなどコーヒーの抽出方法にはいろいろあるようだが、もっとも手軽なのはペーパードリップ方式だろう。中でも、ドイツの主婦メリタ・ベンツの名前が付いたメリタと、非常によく似た名前の日本のカリタが日本ではよく知られているようだ。

大学生時代にレギュラーコーヒーのペーパードリップを飲み始めてから、大体カリタを使うことが多かった。途中、メリタも使ってみたが、そのとき買ったメリタの樹脂製のドリッパーがドイツが本家というのに何だか薄っぺらでチャチで形も歪みがあるようで、サーバーの上でも不安定になり使わなくなってしまったのだ。まがい物だったのだろうか?

現在では、普通のスーパーや量販店の販売スペースではカリタの方が優勢だろうか?

このところ、毎日自家挽きコーヒーを飲んでいるので、たまにはメリタも使ってみようかと、先日350円で2杯用のドリッパーを買ってきた。今度は樹脂製でもしっかりしている。

カリタはコーヒーの落ち口が三つ穴で、お湯の注ぎ方も、何回かに分け、最後に残ったドリップ中の部分はコーヒーサーバーに完全に落とさないうちにドリッパーを引き上げるという手順で、使う粉の量も付属の軽量スプーンが大きいので若干大目になり、味わいも濃厚な味になるようだ。

一方最近使用を再開したメリタは一つ穴が特徴で、ドリップの仕方も(蒸らしは同じだが)杯数分のお湯を一度に回しいれ、コーヒーがドリップ穴から全部落ちきるまで絞りきるという方法が一般的のようで、こちらで淹れるとすっきりした味わいで安定した味になるが、少々コクが薄くなるようにも感じる。

まあ、これこそ気分次第、濃い目を飲みたいときにはカリタでじっくり淹れるもよし、またメリタでも数度に分けてお湯を注げばその調整は可能だ。

さて、コーヒーではまた一歩進んで、生豆を買ってきて家庭で焙煎をすることも可能なようだ。私がたまに焙煎済のコーヒー豆を購入する店でも、少し薄緑色の生豆を販売しているので、それなりの需要があるのだろう。本来は、焙煎したて、挽きたて、淹れたてが望ましいのは理の当然のようだが、最も技術を要するのも焙煎だとも言うので、現在家庭用の焙煎機も出回ってはいるようだが、そこまで凝るかどうかは思案中というところだ。

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